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キリンが独自素材を日本コカ・コーラに提供。「敵に塩を送る」狙いとは

2024年までに「認知度15%アップ」が目標

 なお、現段階における「プラズマ乳酸菌」の機能認知率は約30%。  先ほど紹介した森永製菓、カンロ、大正製薬などへの提供も、売上だけでなく認知度向上も当然期待しています。仮にキリンのみで展開していたらこの数値は恐らくもう少し低い状態になっていたでしょう。そして、ここから2024年までにさらに15%伸ばすための起爆剤がコカ・コーラ社への提供なのです。  認知拡大のスピードアップのために、競合飲料メーカーに供給することも辞さない。それがキリンの覚悟なのです。  自社の優位性を損なうリスクよりも、認知度の向上というリターンの方がより大きいとキリンは判断したのでしょう。  危ない橋を渡ってでも認知度をあげる。ライバルにもプラズマ乳酸菌を広めてもらう。  果たして、プラズマ乳酸菌は普及するのか? 今回のライバル関係会社との提携に、その命運がかかっていると言っても過言ではないでしょう。<文/馬渕磨理子>
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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