お金

会社倒産から転職後「資産5億円」で逆転FIREした50歳男性。明暗分けた“選択する力”

 株式会社バイアンドホールド 代表取締役社長の山口貴大と申します。YouTubeやSNSでは「ライオン兄さん」名義でお金にまつわる情報を発信しておりますので、すでに私のことをご存知の方は、そちらのほうが馴染みがあるかもしれません。
山口貴大

株式会社バイアンドホールド代表取締役の“ライオン兄さん”こと山口貴大氏

 私は現在、「Financial Free College」(FFC)という金融と起業の総合マネースクールを経営しております。受講生の中には、50歳で臨時収入5億円を得て会社を退職したのち、資産運用を学ぶために入会した男性(Dさん)がいます。  5億円という大金を手にしながらも不安は消えず、株価チャートに一喜一憂して夜も眠れない日々を送っていたそうです。今回はそんな彼が、心から「FIREを達成した!」と思えるようになるまでの道のりに迫ります。

不動産バブル崩壊、就職した会社が倒産…

オフィスビル

※写真はイメージです。以下同(Photo by Adobe Stock)

 Dさんは、学生時代は設計士になるために勉強していました。そして不動産関連の会社に入社。当時は株式や経済に関心がなく、「図面ばかり引いていたので、不動産バブル崩壊に気付いてませんでした(笑)」とのことです。  案の定、会社は経営状態が悪化し、倒産してしまいます。初めて就職した会社が倒産なんてツイてないと思いつつも、Dさんには他社からのオファーが来ていたそうで、条件も悪くはなかったそうです。  しかしDさんはこのオファーを断ります。倒産する会社の上司が不動産業界で起業するというので、上司についていくことに決めていました。  目先の給料はオファーがあった会社より少なかったものの、将来的には上司の会社のほうが業績が伸びて、自分の給料も上がると見通しての決断だったそうです。何より、上司とはウマが合い信頼関係もあったので、「あのときに目先の給料で選ばなくて良かった」と感慨深く振り返ります。

収入が上がり続ける一方で心身ともに疲弊

 そして、そんな上司(新しい会社の社長)は、創業メンバーには株式を分配してくれたそうです。株式を社員が保有することで“運命共同体”になり、仕事に対する熱量が上がる……この件は、私も関心してしまいました。  その後、この会社は快進撃を続けます。業績はうなぎ上りで、名古屋証券取引所のセントレックス(現在はネクスト市場)に上場。さらに、名証一部に上場し、遂には東証一部に上場しました。  この時点でDさんの年収は1000万円、年間の配当金は1000万円、合計で年間2000万円ほどの収入があったそうです。  誰もが羨むような話ですが、その裏側には苦悩もありました。 「急拡大で業績が上がった会社を支えるために心身ともに疲弊。年間1000万円の配当金があったものの、いつか株価が暴落するのでは?という不安もありました。次第にこういったストレスから解放されたいと思うようになり、持っていた株式を売却して50歳で会社を退職することにしました。このときの売却額が5億円です
次のページ
5億円を手に入れてもメンタルは不安定
1
2
3
4
金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。2021年10月4日(証券投資の日)に「資産運用をしよう」という言葉をTik Tokで世界一広めてギネス認定される。YouTubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」を運営。著書に『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)がある。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ