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地方移住で「次の仕事が見つからない」憧れの田舎暮らしで突きつけられた現実

“方言”の壁「自分の子どもが話す言葉がわからない」

古民家の広いリビング 田中恭司さん(仮名・50代)は、妻と子どもとともに田舎に移住した。 「今から20年前、脱サラし、まだ幼かった子どもを連れて田舎に引っ越しました。子どもが喘息もちだったので、少しでも空気のよい環境で育てたかったんです」  田中さんが引っ越した地域は方言が飛び交うところだった。「日本だから多少の方言はあっても、同じ日本語なんだから通じるだろう」……。その考えが甘かったと後になって気づいたという。 「ある日、自分の子どもが意味不明な言葉を発して。私は聞き間違えたかと思って『え? 何?』って聞き返しても判然としない。それが方言だと分かるまでに数分かかりました」

大人になってから方言を覚えるのは苦労する

 子どもは学校で友達と会話をするうちに方言を吸収したらしく、当然のように使いこなす様子に驚きを隠せなかったと田中さんは話す。 「今なら難しい方言でなければ意味が分かるようになりましたが、田舎に住むならば言葉にも慣れなきゃいけないんだと、当時は少し焦りました」  田舎では子どもに限らず、とくに高齢者の方言が強い。ある程度大人になってから覚えるのは、それなりに苦労するのかもしれない。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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