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サンリオ、ピューロランド休館も業績好調のナゾ。キャラはかわいいけど骨太の企業体質

好調の鍵はサンリオ内部の変革

サンリオ

公式ホームページより

 そして、その立ち直りにも注目すべき点があります。  再度最新の決算資料に目を向けると、通期の業績予想が売上高574億円から623億円に、純利益も25億円から40億円に上方修正されています。  なんとサンリオは、立ち直るばかりか予想を上回る成長を遂げているのです。  また、今回だけでなく前回8月に公表された第1四半期にも同じく通期の売上高や営業利益の予想を上方修正しています。上方修正に次ぐ上方修正がサンリオでは起きています。  まさに、人気キャラクター“たあ坊”のようなニッコリ笑顔の状態と言えます。  新型コロナウイルスの影響が一定程度収まっているとはいえ、サンリオほど成果をあげている企業は多くはありません。  なぜサンリオは好調なのか、その理由を知るためにサンリオ内部の変革を見ていきましょう。

サンリオが掲げた3本柱

 サンリオでは2021年5月に中期経営計画(以下、中経)を策定しました。  この中経では①組織風土改革、②国内外の構造改革の完遂、③再成長の種まきという3本柱を設定。  それぞれの項目の中にさらに細かく複数の目標が掲げられています。  この中で注目したいのは「②国内外の構造改革の完遂」です。    この中には「赤字が許容されてきた国内物販を利益重視に転換」「これまで業務量増・ロット減・原価高止まりを招いてきた SKU(※)を聖域なく削減」と物販事業の改善にフォーカスが当てられています。 ※SKU…ストックキーピングユニット(Stock keeping Unit)の略。在庫管理上の最小品目数を数える単位。商品の種類の数とほぼ同義。  この聖域なき改革により、自社課題の解決に動き出したのです。
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海外事業営業赤字でも“けろけろけろっぴ”だった
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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