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サンリオ、ピューロランド休館も業績好調のナゾ。キャラはかわいいけど骨太の企業体質

キャラの創出も現代的なアプローチで

 この他にも学習塾「スクールIE」を経営する株式会社やる気スイッチグループとの業務資本提携を発表したり、サンリオピューロランドでエデュテイメントの体験イベント開催の準備も進めています。  サンリオとしてはエデュテイメント事業を年間売上高約100億円にまで育てることを目標としています。  その上であえて“バッドばつ丸”な点(懸念点)をあげるとすれば、エデュテイメント事業に限らず、サンリオの多くの事業はキャラクターの魅力に依拠している面があげられます。  魅力的なキャラクターを生み出していくことはサンリオにとっては非常に重要な課題である一方、キャラ人気が盛り上がらなければ、今後、多くの事業が先細りしてしまう“ぐでたま状態”になる可能性があるのです。  しかし、まるで筆者の指摘を読んでいたかのように、サンリオはここにもしっかりと“対策”を打っていました。  一朝一夕ではいかないように思われるキャラクターの創出。この点においても同社は現代的なアプローチから試みを進めています。

ハローキティを超える人気キャラクターが生まれる!?

 現在のサンリオが、エデュテイメント事業と並んで力を入れているのがIP(知的財産)創造事業です。  事業の一環として、サンリオファンがデザインや動画を見てデビューさせたいキャラクターに投票する「NEXT KAWAII PROJECT(ネクストカワイイプロジェクト)」が今まさに進行中です。  第一段階のデザイン投票で約26万票が集まるなど、多くのサンリオファンが注視し参加しています。  言うまでもなくサンリオの人気キャラクターと言えばハローキティです。しかし、「いつまでも、あると思うなキティとカネ」。同社はそれを自覚しているようなアクションを打っていたのです。  もしもハローキティと並ぶ、あるいは彼女以上の人気キャラクターを生み出せたとすれば、当然業績は爆発的に伸びます。  現在進行中の「NEXT KAWAII PROJECT(ネクストカワイイプロジェクト)」からそのようなキャラクターが生み出されるかどうかは現状ではわかりませんが、いずれにしてもサンリオが本腰を入れて創造事業に着手していることは確かでしょう。  創業者が一線を退いたサンリオですが、そんなトップ交代だけではびくりともしません。  今月11月1日はハローキティの誕生日です。彼女とともに年を重ねてますます絶好調のサンリオの動向に今後も注目です。 <文/馬渕磨理子>
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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