お金

自社株を数億円で売却。50代前半でFIRE達成した男性のポートフォリオ

現役時代と同じ金額の役員報酬も

デスクでの話し合い じつはFさん、完全FIREできる資産額を持ちつつ、売却した会社の経営のアドバイスをしており、「今でも現役時代と同じ金額の役員報酬を得ている」そうです。  現場に出ることはなく、経営のアドバイスをするだけなので、実働時間としては少ない。正直、少し羨ましいと思いました。  ですが、次のFさんの言葉で私は考えを改めました。 「もちろん本心は、完全にリタイアしたいと思っています。ただ、新しい大株主と長年連れ添った社員たちの希望で、私に顧問として入ってもらいたいとのことだったので。やっぱり、自分だけでなく、みんなにも幸せになってほしいので」  責任感の強いFさん。まわりの人たちの生活まで考えて仕事を続けており、素晴らしいと思いました。

“自己投資”の重要性

 そんなFさんには2人のお子様がいらっしゃいますが、成人している息子さんには、つみたてNISAをやるように指導されているそうです。  そして、それ以外のお金は“自己投資”に使うように伝えているとのこと。  社会人2年目にして180万円貯金していた24歳の息子さん。Fさんは、「貯金し過ぎなので、このお金は全額、自己投資に使うように!」と言ったそうです。  それを聞いた息子さんは、TOEICの勉強に自己投資され、さらには海外留学が決まったのだとか。 「20代の内は、貯金はせずに、全額自己投資するくらいのほうが良いと思っていますね」  この考え方に私も共感いたします。その理由は自己投資が最も利回りが高いからです。例えば、インデックス投資の期待値は年利5%前後くらいなので、100万円を投資して1年後に5万円が増えても人生は変わりません。これは老後の資産形成であって、長期投資で複利を使って未来を豊かにする投資です。  一方で、知識や体験に自己投資した結果、起業して稼げるようになる人も少なくはありません。貯金だけしていても自分のスキルが上がっていかないので、稼げるようになれる可能性は、自己投資している人に比べて低いと考えられます。若いうちは、固定費を限界まで削ってインデックス投資をしてセミリタイアを目指すより、自己投資して自分資産を高めた方が、Fさんのように事業売却して逆に早くリタイアするチャンスを得る可能性が高いと私は考えています。
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長期化するインフレ時代の生き方
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金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。2021年10月4日(証券投資の日)に「資産運用をしよう」という言葉をTik Tokで世界一広めてギネス認定される。YouTubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」を運営。著書に『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)がある。

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