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世界で唯一の“家畜写真家”から見える世界「動物たちの感情が伝わってくる」

「いのち」への感謝を世界へ

タキミアカリ 家畜写真家――写真で表現するうえでのテーマがあるそうですね。 タキミ:「『いただきます』を世界共通語へ」というテーマです。動物の写真だけだと「可愛い」だけで終わってしまう可能性があると思うのですが、「いただきます」という言葉とその意味も、多くの人に伝わることで、動物の可愛さだけではなく、命へ目をむけてほしいと思っています。 ――「いただきます」という言葉に注目したのはなぜですか? タキミ:ファームステイをしていた牧場には、世界中から様々な人が集まっていました。そこで、屠畜をしたお肉をみんなで食べる時、私が「いただきます」と言ったんです。すると、いろんな国の方がそれに興味を持ってくれて、意味を説明したんです。そうしたらみんなが、「いい言葉だね」と言ってくれたのが大きな体験でした。

海外での「いただきます」は?

――海外には、「いただきます」にあたる言葉はないんですか? タキミ:フランス語の「ボナペティ(Bon appétit )」や韓国語の「チャルモッケスムニダ(잘 먹겠습니다/잘 먹었습니다)」と言いますが、意味合いは少し違います。英語でいうと「Let’s eat」といった感じで「さあ、食べましょう」というニュアンスが強いですね。 ――確かに、祈りを捧げる場合でも、命を与えてくれる動物たちにというより、神に対しての祈りというニュアンスになりますね。 タキミ:単に「いただきます」という言葉が広がってほしいということではなく、言葉に込められた思いと、そういう考え方が日本にあることを世界中の人々に知って欲しいというのが大きいです。そのために、写真展をパリやニューヨークなどでできたらいいなと思っています。 タキミアカリ 家畜写真家
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家畜写真家になる前のタキミさんの写真
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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『カチク写真展』
【場所】歯ART美術館 4階展示会場
〒761-0130 香川県高松市庵治町生ノ國3180−1
【開催期間】 2023年4月2日(日)- 5月28日(日)
【開館時間】10:00-17:00(年中無休)
【入館料】大人600円 小学生以下無料 65歳以上300円
【ギャラリートーク】3階イベント広場
5月21日(日)13:00-14:20 定員30名(予約制) 参加費300円(入館料込)
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