「“来年こそ売上が落ちて、廃業に追い込まれるかも知れない”という恐怖が、事業継承してから15年間、黒字転換してからも消えなかったんです」 　Gさんには、借金5億円あった当時の不安が身に染みていたのかも知れません。 　死に物狂いで働き、高額な税金を納め、贅沢はせずコツコツと貯金する。気がつけば、3億円の現金と評価額2億円の土地が残っていました。これは、まさにGさんが命を削るような想いで築いた財産だそうです。 　そんなGさんに転機が訪れます。2020年、新型コロナウイルスによる影響で仕事の受注が激減、売上はガクッと落ちてしまいました。 「このまま仕事の受注が減り続けていけば、本当に廃業に追い込まれるかも知れない。それがいっきに現実味を帯びてきました」 　仕事が順調だった時でさえ大きな不安を抱いていたGさんですから、コロナ禍での心労は計り知れません。しかしながら、これがきっかけで将来を見越した“資産運用”を考えるようになったと言います。 「本業1本だけの収入でやっていくのは難しいと思いました。複数の収入源をつくる必要があるなと。そこで、幸い手元には3億円の現金があったので、この資産を運用して利回りを得ようと考えました」