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三苫、堂安…市場価値を高めた日本代表選手。格上チームへ移籍する可能性は

スペイン、ドイツの逸材たち

サッカー 日本代表 三笘

世界中にその名を知らしめた三笘

 日本が勝利したスペイン、ドイツにも有望な若手は存在する。スペインはガビ(18歳)とペドリ(20歳)という若手がチームの柱となって引っ張った。共にバルセロナ所属で今後10年はクラブでも中心選手として活躍する逸材だ。ドイツで負傷していたレロイ・サネの穴を埋めたのが、ジャマル・ムシアラ(19歳)だった。所属するバイエルンでは大会前までの今季は22試合に出場し、12得点10アシストと勝利の立役者となっており、今後も目が離せない注目株なのは言うまでもない。  その他にスイス戦でハットトリックを決めたポルトガル代表FWゴンサロ・ラモス(21歳/ベンフィカ所属)、エクアドル代表MFモイセス・カイセド(21歳/ブライトン所属)、アメリカ代表MFユヌス・ムサ(20歳/バレンシア所属)らも、大会で株を上げた若手選手で今後の動向が注目される。  これらの選手はいずれも2024年開催のパリ五輪に出場する可能性があり、4年後ではなく2年後を楽しみにできる選手たちだ。そのなかには日本代表の久保建英も含まれる。体調不良などで消化不良に終わった大会となったが、次の機会には必ず活躍した姿を見せてくれるだろう。

日本代表の市場価値は?

 ドイツ、スペインから勝利を収めた日本代表選手にも価値を上げた選手が多い。世界でも指折りの列強国から奪った勝利は世界中から注目を集めることになったが、なかでも当事国の関係者に与えたインパクトは大きい。昔から金星を上げた強豪国のリーグに引っ張られていくというのはよくある話だが、日本代表選手はドイツで活躍する選手が多く、ドイツでのキャリアアップは可能性が低い。となると、スペインへの移籍が活発になる可能性が考えられる。スペインを相手に得点を決めた堂安律、巧みなドリブル突破でインパクトを残した三笘薫がスペインのリーグへ移籍というニュースが飛び込んでくるかもしれない。  その他にも、大会でも屈指に難易度の高いゴールを決めた浅野拓磨、デュエルの強さからのボール奪取力を見せつけた遠藤航も市場価値を上げた選手に挙げられるだろう。また、堅い守備力に加えて展開力のあるパスが魅力の板倉滉も移籍市場を騒がせる日本人選手のひとりと言える。  受動的で守備的な戦い方をした日本は、傑出した個の力を見せられた選手は少ない。故に他の出場国に比べると今後の移籍市場で注目度は低くなりがちだ。それでもキャリアアップにつながる選手は多いだろう。その新たなるチャンスを生かしてレベルアップし、4年後のさらなる好成績につなげてほしい。 <文/川原宏樹>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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