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三苫、堂安…市場価値を高めた日本代表選手。格上チームへ移籍する可能性は

W杯後の移籍市場、注目選手は?

 約1カ月間にわたり激闘を繰り広げたFIFAワールドカップが閉幕したばかりだが、これからは各クラブチームが選手を獲得する移籍市場が熱くなる。昔からワールドカップは選手品評会という側面もあり、多くのクラブチームや代理人が注目する大会だ。以前に比べると情報が流通しているため、大会での活躍がすぐにキャリアアップにつながることは少なくなったが、それでも大きなチャンスが転がっているのがワールドカップになる。
サッカー エムバペ

決勝戦でハットトリックと、強烈なインパクトを残したエムバペ

 今大会はキャリアの集大成として臨むものと、新時代の牽引者候補になるものに大別された。まさにアルゼンチン対フランスの決勝戦がその構図で、5度目の挑戦で初戴冠となったリオネル・メッシが活躍すれば、新時代のニューリーダーとなるキリアン・エムバペも強烈なインパクトを残した。  メッシの他にも今大会が集大成となった選手がいる。それは、メッシと同じくサッカー界のこの15年間でトップを走り続けてきたポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドだ。しかし、結果は対照的で3戦目からは途中出場となり、準々決勝でモロッコに敗れて涙を流しながらピッチを後にした。また、大会期間中には所属していたマンチェスター・ユナイテッドから実質上の解雇を言い渡されて、現在は無所属となっている。大会後の去就が注目されるひとりだ。  同じく集大成として注目されたのがクロアチア代表MFルカ・モドリッチだ。チーム最年長の37歳だが、誰よりも走り献身的にプレーし、持ち前のパスセンスを披露してチームを3位へと導いた。最後のワールドカップとうわさされていたが、できる限り代表チームでプレーすることを宣言。もうしばらくは彼の芸術的なプレーを堪能できそうだ。

注目の若手プレイヤーたち

 その他にもポルトガル代表DFペペ(39歳)、ブラジル代表DFチアゴ・シウバ(38歳)、フランス代表FWオリヴィエ・ジルー(36歳)らが健在ぶりをアピールした。このカテゴリーの中には日本代表DF長友佑都(36歳)も加えられる。  一方でエムバペのように今後の新時代を引っ張っていくだろう若手選手の活躍も目立った大会だった。特に、23歳以下の選手を中心に構成されるチームで競われるオリンピックを2年後に控えるなかで、パリ五輪世代となる2001年以降に生まれた選手にも注目が集まる。  ベスト・ヤング・プレーヤー賞を受賞したアルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデス(21歳)は、豊富な運動量とデュエルの強さでチームを支えて優勝に貢献した。現在はポルトガルのベンフィカに所属しており、近い将来にはスペインやイングランドなどのビッグクラブが獲得に乗り出すことだろう。  大会期間中にベスト・ヤング・プレーヤー賞の最右翼と言われていたのが、クロアチア代表DFヨシュコ・グバルディオル(20歳)である。準決勝でメッシに抜かれてしまったシーンが印象深いが、それ以外はほぼ完璧な守備で能力の高さを披露した。加えて、ドリブルで駆け上がる推進力や左足から繰り出される正確なパスなど攻撃センスも高評価の理由となっている。現在はドイツのRBライプツィヒに所属しておりクラブは慰留に努めているようだが、ビッグクラブが放ってはおかないだろう。  準々決勝で敗退したイングランドでは、ブカヨ・サカ(21歳)とジュード・ベリンガム(19歳)の活躍が目立った。前者はイングランドのアーセナル所属で後者はドイツのドルトムントに所属する。どちらもそれなりのビッグクラブに所属しているが、ベリンガムについては母国に呼び戻そうと試みるクラブが現れるのではないだろうか。
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日本代表の市場価値は?
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スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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