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長期化するコロナ後遺症のリアル。若くして寝たきり…悪化しないための対策とは/医師監修

後遺症にならない&症状を軽くする方法とは

コロナ後遺症の発症の原因には2つの原因があると平畑院長は考えている。 「新型コロナが体内に残る『持続感染』と、免疫が暴走して自分の体を攻撃し、炎症を起こす『自己免疫』によるものです。炎症はさまざまな部分に起きて、その結果として全身に症状が現れると考えられます」 世界中で原因究明が進むも、いまだ確立された治療法はないコロナ後遺症。平畑院長は後遺症にならない、なっても症状を軽くするための方法として「鼻うがい」と「疲れない」をあげる。 鼻うがい「市販のキットと生理食塩水を使い鼻うがいを1日2〜3回行うことで、ブレインフォグ(記憶障害、集中力不足、不安などを含む、広い意味での認知機能障害の一種)や頭痛、精神的な症状が出ると考えられる“上咽頭の炎症”がおさまると、後遺症のほぼすべての症状に改善が期待できます。また、鼻うがいは新型コロナや風邪の感染予防にも有効。コロナ感染中に鼻うがいをすると入院や死亡のリスクが9分の1〜8分の1に低減します。感染症から回復した直後に、無理した反動で体調が悪化、準寝たきりになるケースが多いことから、感染後2か月は様子見期間として、仕事や家事はほとほどに『疲れない』ことが大切になってきます」(平畑院長)

普段から対策できる食習慣も

また、原因の一つに免疫の働きの低下や暴走が考えられるのであれば、やはり普段から免疫の状態を整えることが重要となってくる。 「飲酒を控える、生活リズムを見直す、腸内環境を整えるなどを心がけたいです。コロナ後遺症の患者さんの中には、乳酸菌を継続して摂ってもらったところ症状が改善したという人がいます。乳酸菌の摂取は体調の改善に一定の効果があるかもしれません」(平畑院長) 乳酸菌の中には、さまざまな経路を介して免疫に働きかけるものがあることが知られている。乳酸菌OLL1073R-1株で発酵したヨーグルトについては、自然免疫と獲得免疫の両方を増強することが、多くの試験から明らかになっている。 感染症はもちろん、長引く後遺症に負けない体づくりのために、日々の食習慣に取り入れてみよう。 ヒラハタクリニック 平畑光一院長 山形大学医学部卒業。東邦大学大橋病院で一般内科、循環器内科を研修、国立病院機構東京病院にて呼吸器内科研修を経て、東邦大学大橋病院消化器内科にて大腸カメラ挿入 時の疼痛、胃酸逆流に伴う症状などについて研究を行う。胃腸疾患や膵炎など、消化器全般の診療に携わる。2008年7月より東京・渋谷にある「ヒラハタクリニック」院長に就任。2020年3月に「新型コロナ後遺症外来」を開設。著書に『新型コロナ後遺症 完全対策マニュアル』(宝島社 2021)などがある。
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