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長期化するコロナ後遺症のリアル。若くして寝たきり…悪化しないための対策とは/医師監修

長期化するコロナ後遺症「1年以上が85%」

頭を抱える女性 to worry

写真はイメージです

新型コロナウイルス感染後の症状、いわゆる「コロナ後遺症」に悩む人が増えている。数少ないコロナ後遺症の専門外来には多くの患者が訪れ、逼迫しているという報道を耳にした人も多いだろう。 事実、コロナ後遺症は世界中で研究が進んでいる。イギリス国歌統計局の調査では、全国民のうちでコロナ後遺症になっている人の割合は約3%。オランダ・フローニンゲン大学の約7万6000人を対象とした調査では、後遺症の長期(90〜150日)発生率は12.7%。そのほかの多くの研究を含めると、後遺症の発生頻度は5〜30%となる。 日本国内の新型コロナウイルス感染者数は累計約3282万人(2023年2月7日現在)このうち仮に10%の後遺症が出たとすると、後遺症で苦しむ人の数は約328万人だ。 2020年3月に「コロナ後遺症外来」を開設した、ヒラハタクリニックの平畑光一院長によれば「コロナ後遺症の患者数は増え続け毎日100人弱の診察をしています。1年以上も辛い症状に悩んでいる方もいます」とのこと。科学雑誌「Nature」には、感染から2ヶ月以内に後遺症の症状が現れた約1000人のうち、1年後も症状が続いている人は85%にも上るとの報告があった。

若くても凖寝たきり…休職、失業するリスクも

グラフヒラハタクリニックの独自集計によると、コロナ後遺症の症状はグラフのとおり。 「ほとんどの患者さんは複数の症状に悩まされ、中には10以上の症状が出る人もいます。オミクロン株になって感染直後の症状は軽くなったとされますが、後遺症の重さはオミクロン以前も以後も変わりません。また、海外の報告では、感染を重ねるごとに後遺症が出やすくなるとされています」(平畑院長) コロナ後遺症は、倦怠感や気分の落ち込み、思考力の低下など、メンタル不調と似た症状が多いという傾向がみられる。そして同院をコロナ後遺症で受診した約5000人のうち、凖寝たきり以上の状態になった人の割合は約4割にのぼるという。 「凖寝たきりとは、『調子がよいときに皿洗い程度の軽作業が何とかできる』という状態です。コロナ後遺症によって休職する人の割合は4割以上、解雇・退職・廃業に追い込まれた人は8%も存在します」
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後遺症にならない&症状を軽くする方法とは
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