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冬ドラマ、業界人が評価する中間査定。バカリズムの演出は「今後の主流になりそう」

絶妙な会話劇と伏線が楽しい『ブラッシュアップライフ』

 さらにB氏はもう一つのオススメ作品として、お笑い芸人・バカリズムが脚本を手掛ける『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系・日曜午後10時半~)を挙げた。 「まず、バカリズムさんが描く女性たちの等身大でクスッとなる会話劇が秀逸。女性作家でもあんなにリアルな会話は書けないですよ。タイムリープを繰り返すものの、些細な変化しか起こらないシニカルな設定もバカリズムワールド全開。それだけだと1クール持つのかなと少し不安もありましたが、各話に伏線が張り巡らせており全く飽きが来ない。最終話にかけてさらなるサプライズ展開が起きそう。  それから昭和から平成、令和にかけてのカルチャーがリアルな固有名詞としてふんだんに描かれているところも視聴者の心を掴んでいますよね。今後のドラマのひとつの主流になっていきそうな演出だと思います」  同作が終わる頃には、バカリズムは脚本家としての地位をさらに不動のモノにしそうだ。

アクションや脚本がハチャメチャな『大病院占拠』

 一方で、B氏は今クールで最も残念な作品も挙げてくれた。 「冬ドラマのなかでも『大病院占拠』(日本テレビ系・土曜午後10時~)は厳しいですね。考察要素が練り込まれた日テレの同枠らしいドラマですが、役者陣のアクション演技のヘタさとハチャメチャな展開が気になってしまい、どうしても没入できない。やはり日本のドラマでこういったアクション満載のパニックドラマは難しいのかな」  低空飛行のまま終わりそうだが、テコ入れはあるのか? 終盤にかけての復調に期待したい。
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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