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冬ドラマ、業界人が評価する中間査定。バカリズムの演出は「今後の主流になりそう」

秋ドラマは会話劇が光った『silent』が話題を独占!

家でテレビを見る女性

※写真はイメージです。以下同

 昨年の秋クールドラマでは、川口春奈が演じる紬と、耳が聞こえにくくなる病気を患う目黒蓮(Snow Man)が演じる想との恋模様を描いた『silent』(フジテレビ系)が大きなムーブメントに。新人脚本家・生方美久氏が抜擢されたこともあり当初は期待値こそ高くなかったが、リアルで繊細な会話劇が若者からの支持を獲得。見逃し配信アプリ『TVer』では民放全ドラマにおける歴代最高記録を塗り替えた。  また、テレビ局の報道姿勢に切り込んだ社会派ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系)も高い評価を得るなど、フジテレビ復権の兆しを感じさせた。その一方で、本田翼主演の火曜ドラマ『君の花になる』(TBS系)や山﨑賢人主演の日曜劇場『アトムの童』(TBS系)といったTBSドラマは不振で終わる形に。  そんななか1月から放送され、中盤を迎えている冬ドラマをテレビマンたちはどのように見ているのか? 現状での評価や期待していることを忖度抜きで語ってもらった。

元SMAP・草彅剛の迫真の演技が際立つ『罠の戦争』

 まずは、制作会社でドラマ作りに関わる40代プロデューサーのA氏に話を聞いた。 「前クールの『silent』『エルピス-希望、あるいは災い-』など、フジのドラマが話題になりましたが、今期の『罠の戦争』(フジテレビ系、月曜午後10時~)も面白いですね。草彅剛さん演じる議員秘書・鷲津が、権力を振りかざして事件を隠蔽しようとする国会議員に復讐を仕掛けていく重厚な勧善懲悪モノで『水戸黄門』『半沢直樹』を彷彿とさせる爽快感のあるドラマ。ストーリーはもちろんですが、ジャニーズ事務所退所後久々のドラマ主演作となった草彅さんのリアルなセリフ回しや表情作りが実に素晴らしい。  以前から韓国映画・ドラマ好きで韓流俳優の演技を研究していた甲斐もあったのか、あそこまで骨太な役柄に憑依できる俳優になっていたことに驚きました。さまざまな壁はあるものの、他局でも主演として起用されるようになるのでは?」  現在の世相も盛り込まれており、王道展開の復讐劇は終盤にかけてますます盛り上がりを見せそうだ。
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『silent』と対をなす面白さ
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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