恋愛・結婚

不倫相手は「妻からのDV」に苦しむ45歳男性。会社ぐるみで育む“危険な恋路”とは

 DV(家庭内暴力)の加害者といえば男性を想像するかもしれないが、なかには女性の加害者も存在する。
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※画像はイメージです(特記なき限り以下同じ)

 警察庁の調査「配偶者からの暴力事案等の被害者・加害者の状況等」(生活安全企画課)によると、2022年において妻がDV加害者の件数の割合は26.9%と、2割以上は妻が加害者で、夫が被害者であると報告されている。  今回、DV被害者である男性と約7年間、男女の関係を続けているという女性にその実態を聞いてみた。調査会社に勤務する斎藤真奈美さん(仮名・39歳)は、妻からのDVに悩む男性(45歳)と交際している。15年以上にわたって妻のDVに苦しんできた男性が受けた被害とは?

サークルの飲み会で知り合ったDV被害夫

「知り合ったきっかけは10年前、友達に誘われたスポーツサークルの飲み会でした。たまたま同じテーブルに座ったのが私より6歳年上の山口さん(仮名)でした。穏やかでちょっと暗めの性格で、『製造業に従事している』と自己紹介してくれました」  帰宅方向が一緒だったため、同じ電車に乗った2人。斎藤さんは仕事や趣味について山口さんに聞き、ときおり相づちを打っていた。車内が空いていたこともあったのだろうか、ふいに山口さんが「妻のDVに悩んでいる」と小声で打ち明けた。 「驚きました。でも仕事柄、さまざまな人間模様を見ていますから、そういうこともあるのだろうと受け止めて、『大変ですね』とねぎらいの言葉をかけたんです。すると堰を切ったように山口さんが妻AさんのDVのことを話してくれました」(斎藤さん)

被害者の夫が語る妻の暴力の実態

DV妻

妻からのDVに悩む男性と不倫している斎藤真奈美さん(仮名・39歳)

 山口さんがAさんと結婚したのは20代後半。彼女は4歳年上で交際中はDVの兆候は全くなかったが、新婚旅行中にビンタされるなどの被害を受けたという。ただ、当初は妻を信じたいという気持ちがあったそうだ。 「でも新婚旅行から帰ってきても、Aさんは思い通りにならずストレスをぶつけたい衝動にかられると、山口さんの頬を殴ったり、噛みついたり、時にはハサミなどの刃物を持ち出すこともあったと聞いています。山口さんは混乱しましたが、原因が母親だとすぐに気づいたそうです」  Aさんは実家暮らしで母親からDVを受けていたそうだ。山口さんはそれが心配で、プロポーズして、Aさんを母親から引き離したのだ。そして新婚1年目で子供を授かり、Aさんは仕事をやめて専業主婦になるが、ほどなく“夜の営み”を拒否するようになったという。 「山口さんは『子供が生まれたらDVは治るだろう』とまだ妻を信じていたそうです。でも、出産後も殴ったり、蹴ったりは続き、とうとうAさんの実家に相談します。しかし、義両親はそれを認めず、『夫に不満があるせいだ』と山口さんをなじったとか。彼は味方が誰もいない四面楚歌の状態でした」
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弁護士にも相談するが離婚は困難に
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コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪

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