恋愛・結婚

平日はお互いに極力関わらない「週末婚」を希望する女性が増加傾向。いまだに存在する「家事労働の夫婦間格差」が背景に

 こんにちは。結婚相談所「マリーミー」で代表を務める植草美幸です。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)での特集をはじめ、各種メディアで見たことがある――なんて方もいらっしゃるでしょうか。  マリーミーは設立16年となり、現在では年間約6500件もの結婚や恋愛にまつわる相談を受けています。これだけの相談を聞いていると、多くの問題はいくつかの類型に分けられ、それぞれに存在する鉄板の解決策が見えてくるものです。人間関係は十人十色のようで、対応には同工異曲の趣があります。  リニューアルした本連載では、「結婚後のリアル」な悩みにお答えしていきます。ただ、結婚や同棲中の方だけでなく、お相手選びに迷いのある婚活中の方にも参考となるよう、手加減なしの“辛口”モードです。心してお付き合いくださいね。
家事をしない夫

画像はイメージです

令和の今でも時代錯誤な対応がまかり通っている

「ペアローンなのに夫にしか名刺を渡してくれない」 「書斎がほしいと言っているのに『“奥様”には家事室を』と押し付けられる」  住宅購入時のハウスメーカーの差別的対応はいまだに見る光景だと聞きます。X(旧Twitter)などでもしばしば炎上しているそうです。  日々、結婚後の「暮らし方の希望」や「家計の分担」について詳細を聞いている私からすると、驚愕する対応です。現代夫婦のリアルな暮らしぶりと、アップデートが追いついていないメーカー側との乖離は埋まるどころか、どんどん大きくなってしまっているのでしょう。  そこで今回は「新婚夫婦の暮らし」をテーマにお届けしてまいります。  というのも、価値観やライフスタイル、社会情勢が急速に変化している現代。炎上したハウスメーカーのような対応とまでいかずとも、自分自身の想定する結婚生活が時代錯誤なものや、持続可能性がないものになっている人は、少なくないはずです。  他人事と思わずに、婚活中の方からすでに結婚生活を送っている方まで、皆さまに読んでいただきたく思います。

寿退社が絶滅して、「アツアツな新婚カップル」も過去の遺物に?

「新婚生活」と聞いたとき、どのような生活をイメージされるでしょうか。新婚ホヤホヤといえばラブラブでウキウキ、アツアツなもの――と書くと、語彙だけでどことなく昭和感・平成感が漂ってさえいるような気もします。 「お風呂にする? ご飯にする? それとも……」なんてネタも、専業主婦の存在が前提です。一方、令和においては寿退社がすでに稀有な事例となっていますから、そうした「ラブラブな新婚夫婦」を形容する言葉に違和感が生まれるのも、無理もないのかもしれません。  実際に、相談所で「理想の結婚生活」のあり方についてヒアリングしていると、大きな変化がとくに女性のなかで起きているのを実感します。  そうした女性たちの理想を端的に表すと、「家庭内週末婚」です。  住む家が別々なのが週末婚なのに対し、この「家庭内週末婚」は同居こそしています。では「週末婚」要素がどこにあるかというと、平日はお互いに極力関わらないで過ごす点です。  つまり、平日のあいだは、まるでルームシェアをしている友人同士や、シェアハウスをしている他人同士のように、それぞれの食事の支度や心配はしない。なんならまともに会話すらせず、帰宅後はそれぞれの自室で過ごし、寝るときも別々。  代わりに週末は一緒に食事をし、ひとつのベッドで眠る……。と、まるで独身生活と結婚生活のハイブリッドのような暮らし方を、希望・理想とされる方が着実に増えているのです。  フルタイム同士の共働きでも、家事分担は妻に偏ってしまう場合が多い事実を知っているからこそ、はなから「平日はそれぞれ自分のことだけに集中したい」と考える女性が多いのでしょう。
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仕事をしながら「夫のママ」はやりたくない
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結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など

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