お金

競馬クラシックレースの法則。過去の穴馬から見えてきた「4つの激走パターン」

直前の敗戦が響いて? 人気急落パターン

競馬

ジャパンカップで2着という実績を持つカレンブーケドールも、3歳春のオークスでは12番人気の低評価だった 
写真/橋本健

 続いては直近の敗戦でガクンと注目度が下がる、「人気急落パターン」です。  クラシックはサバイバル。キャリアの浅い馬が多い分、直近の成績が良い馬ばかり集まりがちです。しかし、そこが盲点。たった一度でも敗れてしまうと人気が一気に落ちてしまうのです。  よく覚えているのは2007年のサンツェッペリン。皐月賞と同じ舞台の京成杯を逃げ切りで制したものの、次走のスプリングSでは先行することすらできず8着。これが大穴への布石だったのか、本番の皐月賞では15番人気単勝100倍超とまったくの人気薄も、今度は積極的に2番手を追走するとそのまま2着に粘り込み。最後ヴィクトリーにはハナ差敗れたものの、3連単162万馬券の主役になりました。  もう少し最近に目を移すと日本ダービーでコントレイルの3着と健闘したヴェルトライゼンデ、牝馬路線ならばクルミナルメイショウマンボなどもそうでした。まだ若い馬たちだからこそ、一度くらいの敗戦には目をつぶるのが、穴馬を見つけ出す秘訣なのかも!? ・主な例 2020年 ヴェルトライゼンデ 日本ダービー10番人気3着 2015年 クルミナル 桜花賞7番人気2着&オークス6番人気3着 2013年 メイショウマンボ オークス9番人気1着 2008年 スマイルジャック 日本ダービー12番人気2着 2007年 サンツェッペリン 皐月賞15番人気2着

走っても走っても人気にならない? 生粋の穴馬パターン

 続いては、走っても走っても人気にならないという穴党にとってはありがたい存在ともいえる、「生粋の穴馬パターン」です。  このパターンに該当する馬は血統が地味だったり、あるいは相手なりに走れるけど勝ち切れなかったりというケースが多々。代表例はディープインパクト世代のシックスセンスでしょうか。毎度堅実なのに勝ち切れないというキャラクターのまま臨んだ春のクラシックは、相手が強くなっても持ち味全開。最後は差して来るものの、やはり勝ち切れずというレースが続きました。  それでも地味さゆえに人気にならず、皐月賞では12番人気で2着。その実績を引っ提げて臨んだダービーでも7番人気という低評価ながらそれを覆す3着。穴党孝行な馬でした。  サニーブライアンのように急成長を遂げるケースや、ドリームパスポートステラヴェローチェのようにジョッキーや血統が地味な場面で発生しがちです。このパターンの馬の多くは秋になるとさすがに実力が認められてしまうので、春のクラシックだからこそ発生する現象いえそうです。 ・主な例 2022年 アスクビクターモア 日本ダービー7番人気3着 2021年 ステラヴェローチェ 皐月賞6番人気3着 日本ダービー9番人気3着 2013年 アポロソニック 日本ダービー8番人気3着 2007年 エフティマイア 桜花賞15番人気2着 オークス 13番人気2着 2007年 ドリームパスポート 皐月賞10番人気2着 日本ダービー7番人気3着 1997年 サニーブライアン 皐月賞11番人気1着 日本ダービー6番人気1着
次のページ
強運? ドハマり? 一世一代の大激走パターン
1
2
3
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。12月5日に最新刊『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)が発売になった。著書は他に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。
馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる

TARO氏が『馬券力』について徹底究明した一冊。


記事一覧へ
勝SPA!
おすすめ記事