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競馬クラシックレースの法則。過去の穴馬から見えてきた「4つの激走パターン」

人気=実力とはならない、それが春のクラシック

競馬

2019年のダービーはロジャーバローズが12番人気で勝利。春のクラシックは意外と波乱劇が多い 
写真/橋本健

 今年も競馬が盛り上がる春のクラシックシーズンが近づいてまいりました。今週末の桜花賞を皮切りに、皐月賞、オークス、そして3歳の頂点を決める日本ダービーへと続くビッグレース。もっとも、トップレベルとはいえ、そこはまだキャリアの浅い3歳馬同士の戦い。春のクラシック戦線では、これまで数多の穴馬がファンを驚かせてきました。  というわけで、本題に入る前に1つクイズを出題します。  Q.3冠牝馬にして国内外のG1を7勝した名牝ジェンティルドンナ。しかし、春のクラシック2冠では桜花賞2番人気、オークス3番人気と、ともに圧倒的な支持を集めていたわけではありませんでした。では、両レースで1番人気だった馬とは?  ……いかがでしょうか? この2つをともに正解できるとしたら、かなりの競馬通か、あるいは記憶力が良い方でしょう。  では、正解へまいります。正解は…… 桜花賞の1番人気=ジョワドヴィーヴル 2.3倍 オークスの1番人気=ミッドサマーフェア 3.3倍  あのジェンティルドンナですら春のクラシックの時点では絶対王者ではなく、むしろ人気を集めていたのは今思えば意外な馬たちでした。上記の2頭はその後未勝利。いかに人気がアテにならないかということです。  そこで今回は、過去問を解くがごとく、過去の春のクラシック戦線から印象的な穴馬を分類、「4つの激走パターン」をご紹介したいと思います。

実は強かった?人気なさすぎパターン

 まず最初に取り上げたいのは、人気はなかったけど今思えば実は強かったという、「人気なさすぎパターン」です。  あとになればなんとでもいえるだろう! と思われるかもしれないですが、冷静に考えてもなぜこんなに人気がなかったのだろうという馬たち。  直近で記憶に新しいのは昨年のオークス2着馬・スタニングローズでしょうか。オークスでは前走フラワーC勝ち&外国人騎手騎乗、しかもサンデーR所属のノーザンF生産馬……という、これでもかという現代競馬のブランドで固めたような存在なのに10番人気。距離が嫌われたにしても、今思えば人気がなさすぎでした。秋には秋華賞を制したように、能力はもともと高かったといえます。  2019年のオークス2着カレンブーケドールも、スイートピーS勝ちというローテーションが嫌われたためか、まったくの人気薄。オルフェーヴルと同じ世代に生まれたことが不運だった(?)ウインバリアシオン、重賞勝ちで臨んだ皐月賞で3着、にも関わらず日本ダービーでも人気がなかったエイシンフラッシュなど、その後も大活躍する馬が意外なほど人気薄だったりするのが春のクラシックなのです。 ・主な例 スタニングローズ 2022年 オークス10番人気2着 カレンブーケドール 2019年 オークス12番人気2着 アルアイン 2017年 皐月賞9番人気1着 ディーマジェスティ 2016年 皐月賞8番人気1着 ウインバリアシオン 2011年 日本ダービー10番人気2着 エイシンフラッシュ 2010年 皐月賞10番人気3着 日本ダービー7番人気1着
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直前の敗戦が響いて? 人気急落パターン
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