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2代目ゴールデンハインドが重賞制覇! 三冠馬コントレイルも2代目…。意外と多い「同名馬」にまつわる話

馬名にまつわるエトセトラ

競馬

フローラSを逃げ切ったゴールデンハインド。“先代”は2012年天皇賞(春)にも出走していた 
写真/橋本健

 先週行われたフローラSはゴールデンハインドが逃げ切り勝ち。見事、オークスへの切符を手にしました。ところで、この「ゴールデンハインド」という馬名、少しコアな競馬ファンなら聞き覚えがあるかもしれません。それもそのはず、実はゴールデンハインドには‟先代”がいるのです。  先代……つまり同じ名前の馬であるゴールデンハインドは、お父さんが芝ダート二刀流の名馬・クロフネ、さらにお母さんもダートの名牝ゴールドティアラという良血馬でした。自身もなかなかの戦績で、重賞勝利こそなかったものの万葉Sなど、オープン特別を2勝、さらに2012年には天皇賞(春)に出走し、あのオルフェーヴルと同じレースを走っています。  人間の世界でも同姓同名の人には親近感を覚えたり、逆に何かやらかすと迷惑を被ったり悲喜こもごも(?)があります。先日の統一地方選では、鳥取県で県知事と同姓同名の候補が当選するというニュースもありました。  競走馬の世界でも同名馬は意外と多くいます。名馬の先代がまったく活躍できていなかったり、逆に2代続けてオープンを勝っていたり、あるいは平成以降これまで既に4代目がデビューしていたり……。  というわけで、今回は意外と多い同一馬名のお話から、馬名にまつわるエトセトラをお送りしたいと思います!

3冠馬コントレイルも2代目だった!

 まず、近年の代表的な2代目馬名としてはコントレイルが挙げられます。コントレイルは言わずと知れた無敗の三冠馬。令和を代表する名馬です。馬名の意味は「飛行機雲」。  先代のコントレイルが走っていたのは意外と最近で、2012年に中央競馬でデビュー、残念ながら2戦して5着が2回と勝ち切れず、そのまま引退してしまったようです。ちなみに20世紀末の名マイラー・タイキシャトルの3代母にもコントレイル(Contrail)の名前を見つけることができます。  もっとも、コントレイルが三冠を達成したことで今後はもう使用ができません。保護馬名といって、重複を避けるために一定条件を満たした馬の再使用はできなくなるのです。  ちなみに、あのアーモンドアイも実は2代目。初代は1980年代に走っていたようですが、残念ながらこちらも勝利を挙げることはできず。コントレイル同様に、2代目が大活躍して少しだけ脚光を浴びたパターンです。  余談ですが、アーモンドアイの活躍後ばんえい競馬において「アアモンドマイ」という馬が走っていたこともありました(笑)。もっとも、極端に紛らわしい名前の場合は競走馬登録できないケースもあり、例えばモルフェーヴルという名前は馬名申請が通らなかったようです。
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2代連続オープン勝ちの出世馬名を紹介
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