更新日:2024年01月25日 14:33
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「バカ野郎」ブラック部活の指導を愛情と思っている13歳息子…塾経営の笑い飯・哲夫が教える“愛情”と“異常”の見極め方

「愛情」か「異常」かを見極めるべし

部活 バスケ

※写真はイメージです(以下同)

 どんな時代であれ、チームワークが大切であることはご理解いただけると思います。チームワークは、それぞれが持つ弱点を補強し合うところにその美学が秘められています。  そしてそれを育もうとする教育者は、助け合っている子どもたちを目にした刹那、胸の底から洗車機のブラシのような情念が込み上げてきて、言葉にできない爽快感と感動に包まれます。またこの場合の教育者は、稀に子どもたちのアンチテーゼになれた喜びに浸ることもあります。  つまり仮想敵国のようなもので、自身が悪役となってチームワークを育む理論です。ただ、これが親御さんたちに勘違いされることがあると考えられます。  もちろん醜い暴力が介在していれば台無しですが、子どものより良い成長のために、自身が嫌われてでも教育に勤しめる人が今の世界に何人いるでしょうか。この教育方針は未来への奉仕です。そんな偉い人もいるであろうことも覚えておいてください。

厳しい指導に愛情を見出せるのは精神が美しい証拠

部活 バスケ ところで、この相談文に出てくる顧問は危険な指導者ですね。やばいですよ。ユニフォーム代の振込先は、ユニフォーム屋さんの口座か、学校や部活名義の口座でなければならないはずです。それが顧問の個人口座というのは、非常に安全性が欠落した事象です。集まったお金の一部を顧問が掠め取ってからユニフォーム屋さんに送金していると邪推されても仕方ありません。  お母さん、面倒くさいでしょうが、校長先生に電話して、なぜユニフォーム代は顧問に振り込むことになっているのか、問うてみてください。  校長先生から「バスケットボール部の顧問は他人の人格を否定する先生で、生徒の振り込みすら信用しない人でして、振り込み状況を迅速に確認するために顧問の口座になっております」というような説明があった場合は、面倒くさいでしょうが、学校全体の保護者会にその顧問の異常と学校の異常を報告しなければなりません。  そして、保護者会のチームワークを利用して、顧問の人格と振込先の改善をお願いします。  最後に一つ、確固たる真実を書いておきます。わずか13歳で、いかなる厳しい指導であってもそこに愛情を見いだすことができる息子さんは、とても美しい精神の持ち主です。 ★「愛情」か「異常」かを見極めて状況の改善を図りましょう イラスト/とあるアラ子 図版/ミューズグラフィック
’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数

がんばらない教育

格安補習塾を経営する哲夫による画期的な子育て論

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