更新日:2023年05月03日 12:49
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かつては安倍氏、小池氏も。ニコニコ超会議から「政治ブースが消えた」ワケ

鉄道トークに花を咲かせた石破氏

そのほかにも、自民党は“黒ヒゲ危機一髪”に模したゲームを用意。安倍晋三首相に模した“あべぴょん”が樽から飛び出さないように短剣を指すゲームを置き、ブースを訪れた来場者が楽しんでいました。自民党は政治一色ではなく上手にエンタメ性を盛り込んでいたのです。 また、ニコニコ超会議に来場した政治家は、政党ブース以外のブースに立ち寄り、そこで多くの人と触れ合うこともありました。鉄道マニアで知られる石破茂幹事長は、超鉄道のステージにサプライズ登壇。司会進行役の向谷実さんもタモリ倶楽部などに出演する鉄道マニアとして知られまずが、2人は濃い鉄道トークに花を咲かせています。
ニコニコ超会議

立憲民主党の枝野幸男代表はアイドルオタクとしても知られ、ニコニコ超会議ではオタ芸のVR体験を視察(2018年小川裕夫撮影)

また、立憲民主党の枝野幸男代表(当時)は、アイドルオタクとして知られています。そのため、ご当地アイドルのブースに立ち寄り、オタ芸をVR体験しています。

ニコ動がネトウヨを育てた?

こうしたところからも、各政党はニコニコ超会議を党勢拡大ためのイベントと意識していたことがわかります。政治とネット、特にニコニコ動画と政治は親和性が高いと認識されていたのです。 政治とネットの距離が近づいたのは、ニコニコ動画以前からです。インターネット匿名掲示板の2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)により、右翼的な言説をするネット右翼(ネトウヨ)が一般的に認知されるようになりました。そして、ニコニコ動画がネトウヨを大きく育てる一役買ったともいわれます。 ただし、ニコニコ動画のユーザーたちが、政治に高い関心を抱いていたわけではありません。しかし、政治にまったく無関心だったわけでもありません。なんとなく、政治に関心があるといった程度です。
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政治家に会うとファンになってしまう?
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フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro

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