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銀座ロレックス強盗事件、犯罪者が目をつけた“盗品ロレックス”の換金性と市場価値

ロレックスは売りやすい

ロレックス

ロレックスの人気モデル

 犯人がロレックスを狙うのにはもう1つ理由があるといえます。それは「ロレックスは売りやすい」という点です。  ロレックス以外にも、人気がある腕時計ブランドは多々ありますが、ロレックスの場合、「人気」「高値」「数が多い」という特徴があります。  もしも、数が少ないモデルを盗んでどこかで売ろうと思ったならばかなり目立ちます。 仮に盗まれた時計がパテックフィリップのノーチラス、5711/1A-018(ティファニーブルー、海外オークション相場約7億円)だったならば、ネットで売ろうものなら時計ファンの目にすぐにとまります。  しかし、ロレックスの人気モデルであれば、プレミアム価格状態のモデルといえど、それなりの個体数が売りにだされています。  パテックフィリップの場合、人気モデルといっても中古市場にあるのは、せいぜい数本ですが、ロレックスの場合は数十本単位で売られているわけです。そうなると、中古市場に50本ロレックスの同じモデルが売られていたとして、その1つに盗品が混じっていても気づかれにくいといえます。  また、ロレックスの場合、欲しがる人が多いため、先のように盗品ということを明かしたうえで、相場の半額以下で売ろうとした場合、「買う」という人に巡り合う確率は他ブランドよりも高い可能性があります。  ですから、ロレックスは、①人気が高い②個体数がそれなりにある、ということから他の腕時計と比べて盗品の換金がしやすいといえるのです。

盗んだロレックスはどうやって換金するか

 今回盗まれたロレックスは、全部で70点。総額は2.5億円になるとのことですが、犯人はそれをどうやって換金しようとしたのでしょう。  今回の場合、優秀な警察によって盗品はほぼ回収されたとのことですが、仮に犯人が、盗んだ腕時計を「どこかで売ろう」とした場合、どういったケースがあるか推定したいと思います。
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考えられる2つの盗品マーケット
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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