更新日:2023年05月26日 17:32
お金

日経平均3万円台「いま仕込みたい個別株」をプロが厳選。高配当銘柄に注目するワケ

過熱相場における私の投資戦略

東京証券取引所 もう一度言う。  異次元の金融緩和、好調な企業業績という同じ条件の下で、専門家は調整局面が来ると言っていたのだ。私はああ、これは何だかよくわからないけど地合いが強いんだと、つまり、それは過熱感のある相場なんだと判断した。  日本株はアメリカ経済、アメリカの株式市況を追随することが多い。それを考えると、アメリカで続いている3つの金融不安はどうしても頭から離れない。  債務上限問題は解決できるとしても、地銀を中心とした金融機関への信頼低下、インフレは退治できてないし、雇用も堅調なため年内の金利引き下げどころか、6月にも金利がさらに上がるかもしれない。  こういう金融関連の3つのリスクがあること。さらに、世界では民主主義とは本来的に相容れない強権国家であるにも関わらず、世界第2位の経済力となった中国の不透明な部分。特に不動産発の金融不安の可能性が指摘されていることが忘れられないのだ。  そういうわけで、2023年5月の私の投資戦略は、もともとキャピタルゲイン狙いだった株式で十分に利益を出しているものの中から利益確定の売りをすることだ。  例えば、日経平均に連動するインデックスファンド。購入時から2倍程度に上がった銘柄を売る。ただし、一部だけ。その理由は拙著『投資の教科書』に記した通り。  株式投資、特にキャピタルゲイン狙いで儲けるためには、多くの人がこぞって買ってる時には利益確定の売り。多くの人が絶望して売り浴びせている時には売られ過ぎた銘柄を選択して買う。銘柄選択に迷えば、TOPIXや日経平均と連動するインデックスファンドの買いをすることにしている。

配当、優待。インカムゲイン狙いの銘柄選択

 キャピタルゲイン狙いの株式は利益確定をさせるが、一方でインカムゲイン狙いの銘柄で購入もしている。  さらに、できれば、この強い地合いのなかでも、さまざまな理由で出遅れている銘柄で、中長期的にはキャピタルゲインも狙えるもの。倒産のリスクのない会社。下がったら買い増ししたくなるような銘柄を探すのだ。  インカムゲインを確保しつつ、私の杞憂を押しのけて、バブルだろうが、正当な上昇であろうが、キャピタルゲインも実現できればこれに越したことはない。こうした、ダブルゲインを狙えるものこそ、NISA枠で買いたい銘柄と言える。  具体的には、配当利回りが4%以上、プライム市場の銘柄で減配はあっても倒産の可能性は、ほとんどない銘柄。チャート的に高値圏にないこと。できれば調整局面で高値から2割程度は下がっているもの。まあ、全てを網羅するような銘柄はなかなかないのであるが、注目点はそこにある。  配当利回りで注目した銘柄には次のようなものがある。
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オススメの高配当銘柄
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経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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