更新日:2023年05月26日 17:32
お金

日経平均3万円台「いま仕込みたい個別株」をプロが厳選。高配当銘柄に注目するワケ

金融で狙うなら?

三菱UFJファイナンシャル・グループ(8306)株価930円(5月24日時点の終値)

三菱UFJファイナンシャル・グループ(8306)株価930円(5月24日時点の終値)

 最後に金融だが、一般的にはメガバンクに食指を伸ばすのが王道なのかもしれない。5月24日現在の3大メガバンクの状況を見てみよう。  三菱UFJファイナンシャルグループ(8306)は株価は921円で、配当利回りは4.43%。三井住友銀行(8316)は株価が5642円、配当利回り4.42%。  みずほファイナンシャルグループ(8411)は株価は2071円、配当利回りは4.6%、となっている。  チャートを見てもらえばわかるが、ざっくり言うと、この半年に爆上げして、年度末に落ち着いて今は底堅い動きをしている。これらの金融株の動きとあまり連動してないが、私はゆうちょ銀行(7182)と日本郵政(6178)をコツコツ買っている。ゆうちょ銀行は、株価は3月に1200円を超える水準まで上がったが、5月24日現在は1063円。配当利回りは4.7%くらい。  ゆうちょ銀行は持ち株が500株を超えると3000円のカタログギフトの株主優待もある。単位株100株で10万円と少しで買える銘柄だ。まだ株式の大部分を親会社の日本郵政が所有している。  その日本郵政。株価は3月に年初来高値の1268円をつけた後、5月24日現在は1018円。配当利回りは4.83%。財務省が3分の1の株式を保有している、JTと並んで半官半民の企業と言える。

ゆうちょ、日本郵政に注目するワケ

 私がなぜ人気のない、ゆうちょ銀行や日本郵政に注目するのか。  例えば、メガバンクはもちろん、地方銀行なども推し進めてきた、事業者として利益増大できる課題にほとんど手をつけないでいるからだ。企業業績をよくする課題が山ほど残っているのだ。  先日、日本郵政の増田寛也社長は、全国2万4000ほどの郵便局の統廃合が必要だと明言した。発言を聞いて地方の郵便局を閉めるのかと思った。しかし、地方だけのことではないようだ。ユニバーサルサービスが求められる事業で、地方を狙い打ちにはできないだろう。  むしろ家賃の高い都心で、郵便局は至近距離に複数店舗があることが多いのだ。いいところに目をつけている。都会も地方も店舗数を減らしていくとなれば、進めやすいはずだ。  ユニバーサルサービスが求められているとはいえ、すでに民間会社である郵便3事業に対して、民業圧迫になるとあまりにも多くの規制がかけられすぎている。これらが、改善される方向に行くだけで日本郵政とゆうちょ銀行の可能性はぐっと増す。  4%台の配当利回りでインカムゲインを楽しみながら、長期保有して将来の株価上昇のキャピタルゲイン狙いも可能な銘柄と思って買い増ししているのだ。どちらも、単位株が10万円前後で手に入るのも手頃でいいと思っている。 ※株式投資はご自分の判断と責任に基づいておこなってください。 <文/佐藤治彦 チャート/Yahoo!ファイナンス googleファイナンス>
経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko
1
2
3
4
おすすめ記事
ハッシュタグ