“明暗くっきり”のライトオンとマックハウス。分岐点は「デニムから次の一手」
90年代、若者の間で空前のデニムブームが起こりました。全国に古着ショップが立ち並ぶようになり、中高生のバイブルだった雑誌『Boon(ブーン)』(祥伝社)の表紙を彩る有名人は高額なヴィンテージデニムに身を包んでいました。
大ブームを巻き起こしたアメカジファッションの受け皿となったお店が、ライトオンとマックハウス。地方都市や郊外に住む若者はロードサイドのお店に足を運び、雑誌で紹介されていたスタイルを真似ていました。
大流行は終焉を迎え、2社はかつての勢いを失いました。しかし、収益力には明らかな差が生じています。
ライトオンは2007年8月期の売上高が1066億円でした。この翌年に創業以来初の減収となります。そこからは転がるように縮小し続け、2022年8月期の売上高は482億円となりました。全盛期の半分ほどまで縮小しています。
マックハウスはライトオンよりも縮小が鮮明。2007年2月期の売上高は573億円でしたが、2023年2月期は184億円と1/3ほどとなりました。
この2社に共通して言えることですが、デニムブームが終焉を迎えて稼ぎ方が大きく変化しています。ライトオンは2007年8月末時点で446店舗ありました。2022年8月末は394。この間で売上高は半減しましたが、店舗は1割程度しか減っていないのです。つまり、1店舗当たりの売上が大きく減りました。
単純計算で、2007年8月期は1店舗で2.4億円稼いでいたものが、1.2億円まで下がっているのです。なお、2022年8月期は売上高に占めるEC比率が数%あると予想でき、1店舗当たりの売上はもっと低いでしょう。
かつてはロードサイドなどの大型店で大量の買い物客をさばいていたライトオンは、ショッピングモールなどの中・小型店が中心となっていることがわかります。
1店舗当たりの売上が…
1店舗の稼ぎが大きく変化
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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