エンタメ

『THE SECOND』の興奮がさめない異常。スピードワゴン、囲碁将棋…芸人たちはラジオや配信でどう語っているのか

スピードワゴン小沢の決意、囲碁将棋の働きかけ

『THE SECOND』に参加した漫才師たちはそれぞれに自分たちのラジオやYouTubeで大会を振り返っているが、ひとつ選ぶなら「スピードワゴン」小沢一敬のYouTubeチャンネル「スピードワゴン小沢のオザワ倶楽部」の、囲碁将棋をゲストに迎えた「【THE SECOND】ファイナリスト達のガチ敗因考察」。  自らが賞レースの審査員までやっている小沢がどんな思いで出場を決めたかという話から、囲碁将棋が新しい大会を盛り上げるために周りの中堅・ベテラン漫才師たちに出場を声がけして回っていたこと、そして出場者だからわかる決勝の空気と自分たちの敗因を語っている。 「THE SECONDだけどM-1やってたのよ」という小沢の言葉は、この生まれたばかりの『THE SECOND』という大会がすでにM-1とはまったく違うものになり得ていることを象徴している

1対1の予選段階から生まれていたドラマ

 133組という参加組数はM-1と比べると少なく見えるが、昨日組んだアマチュアが参加できるM-1とは違い、出場している全組がプロとして同じ相手と16年続けてきた人たち。それゆえ、いちばん最初の予選からとんでもない闘いだった。とくに32組が選出されてからのタイマン勝負は、予選というにはあまりにも重みがあった。  何しろ、勝って手放しで喜んでいる人たちが少ないのだ。自分たち同様、相手も16年以上負け続けてきたことを知っている人たちならではの複雑な表情がそこにはあった。  女性漫才コンビ「Dr.ハインリッヒ」と戦った直後の小沢が、彼女たちを自分主催のライブに誘ったり、大阪の先輩である「シャンプーハット」に勝ち、2人からエールを贈られた「囲碁将棋」文田が涙を流したりと、他の賞レースではあまり見ない1対1の対戦は予選の段階からドラマを生んでいた。そこを勝ち上がってきた8組の思いがまさに決勝でスパークした、その一端がこの動画の端々にも現れている気がする。
次のページ
お笑い「ゾンビ」を熱狂させる漫才
1
2
3
4
ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。X(旧Twitter):@troookie

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ