更新日:2023年06月14日 18:27
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東大生の逆転合格術。「共通テストは平均以下、塾にはいかず学校の授業がメイン」

勉強法は「とにかく反復練習」

 もちろん、うまくいくことばかりだけではありませんでした。挫折しかかったことだって、何度もあったといいます。そんな彼を支えてくれたのが、親御さんや先生方でした。コロナ直撃世代である彼は、学校の授業もオンライン授業が中心でした。自分たちはコミュニケーションが希薄になりがちな世代だったと、生島さんは当時を振り返りながら語ってくれましたが、その中でも育まれる絆は確かに存在したのです。では、どのようにして彼は勉強していたのでしょうか。 「僕は塾などには入っていませんでした。学校の授業を主として勉強していました。もちろん自分の学校は東大に合格する人はほとんどいない学校なのですが、それでも合格できたのは、戦略を立てて勉強したからだと思います」  彼の勉強法は、とにかく反復練習を肝としていました。学校の授業を特に重要視していたという彼は、とにかく授業の中から有益な情報がないかを常に探し続けており、得られた情報を何度も復習することで、自分の中に定着させていったのです。  さらに彼は、戦略を立てた努力をしていました。がむしゃらに頑張るのではなく、自分が取り組む勉強の性質によって、有効なアプローチを変えていたといいます。たとえば、英語などの語学系の科目は、とにかく量にふれることが重要となります。ですから、一言一句を丁寧に見渡すような勉強法ではなく、多少穴があったとしてもとにかく様々な文章に触れることが大事だと説きます。  一方で、数学的な思考を求められる論理力を鍛えるような勉強ならば、丁寧にやってやりすぎだということはないそうです。何度も同じ問題を解きなおし、それを完璧に理解できるまでは離れないことが大事だと語ります。

共通テストの点数は平均点以下

   そして彼の「戦略」は、点数の取り方にも現れていました。 「東大は共通テストと2次試験の2つの点数で勝負が決まります。でも、僕の共通テストの点数は低く、900点満点中699点でした。僕の受けた学部の受験者の共通テスト平均点が736.77点で、合格者平均点は793.4点です。普通より100点も点数が低かったんですが、それでも僕は東大を受験することに迷いはあまりありませんでした」
生島さんの成績表

生島さんの成績表

 今回この記事を書くにあたり、いろんな東大生の得点を調べましたが、彼より共通テストの点数が低かった人は見つけられませんでした。それくらい、彼は特殊な合格事例だと言えます。 「自分は、共通テストの点数はあまり重視していませんでした。2次試験の点数の方が、点数評価されることを知っていたからです。また、受験生の時にひょんなことから逆転合格東大生集団の『カルペ・ディエム』の人たちと交流する機会をもらっていたのですが、意外と二次試験で勝負して合格している人も多くって。それもあって、『自分が合格するためには、2次試験で逆転合格する戦略しかない!』と信じていた部分があります」  普通は共通テストで合格者と100点も差がついていたら、点数の配点が2次試験の方が高いと知っていたとしても、怖くなってしまうものです。それでも、彼が合格できたのはまさに、『戦略勝ち』だったと言えるでしょう。 【もっと詳しい生島さんの戦略を読む】⇒「東大生インタビュー 東大現役合格の逆転戦略」はこちらへ
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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