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東大に現役合格した野球部員が「勉強に前のめりになれた」考え方とは

東京大学といえば、日本最難関クラスの大学。そこに通う学生の多くは、小さなころから塾通いをして名門中高を通ってきた、いわゆる「エリート」たちです。 しかし、それがすべてではありません。一部には、まったくエリートらしからぬ道筋をたどって東大に合格した学生もいます。ここでは、元落ちこぼれや休学経験者など、「普通の東大生」らしからぬ道を辿って東大へ入学した、みなさんの知らない「リアルな東大生」の姿をお届けします。 今回も前回に引き続き、東京大学三年生の永田耕作さんにお話を伺っていきます。前回の記事では、もともと地元志向だった永田さんが東京に憧れて東大を目指し始めたこと、そして部活動を高校三年生の夏まで続けながらも、勉強を頑張って東大にまでたどり着いたことを伺いました。今回の記事では、いま永田さんが行っている活動と、今後の展望について話を聞いていきます。 【前回記事】⇒「高3の夏まで部活動を続けて『東大に現役合格』。野球部で鍛えた勉強法とは」はこちらへ
永田耕作 東大生

永田耕作さん

モノを知るという経験の尊さ

「いま、僕は勉強に対して前のめりになれない子たちに、もっと前のめりになってほしいと考えています。何かものを知ることってすごく楽しい。テストの点数も大事だけれど、それ以上に、モノを知るという経験の尊さとか、面白さとか、そういったことをどんどん知っていってほしいんです。そのために、僕はいま教育にかかわる仕事を行っています」  教育系ベンチャーで教育事業にかかわっているという永田さん。今では高校生に勉強の話をしたり、勉強法のワークショップを開催したり、ラジオ放送にも出演するなど精力的に活躍されています。昨年6月には著書『東大生の考え型 「まとまらない考え」に道筋が見える』という本を刊行されており、重版もされるほどの売れ行きだったといいます。  元々は、自分自身「なんで?」と思ったことには徹底的に追求したくなる子どもだったという永田さん。今でも尊敬しているという彼の父親は、幼少期の永田さんが抱いた疑問に対して、すべて答えてくれる、そんな大人だったといいます。  自分の父親が、自分の訊いたことにすべて答えてくれる。そして、その答える様子がこの上なく楽しそうに見えたという永田さん。ここから、知ることそれ自体に興味が出てきたのだとか。

出版を通じて経験を広めたい

 同じような経験は高校時代にも訪れます。高校生の時に親しくしていた友人が天体に詳しく、色々な星座について教えてくれたのだそうです。ここでも、やはりこの上なく楽しそうに星々について語る友人の様子を見て、知ることについてのあこがれを深めたのだといいます。  そこから、どんどん知ることの喜びを広げていきたいと考えるようになった永田さんは、今の会社で講演活動などを行うようになります。本を出版したのも、実は同じ動機から来ているそうです。講演では、自分が行った場所にしかその話を届けることができない。しかし、日本中を飛び回るのは物理的にも不可能がある。だからこそ、出版を通じて自分の経験を広めることができればと考えたのだそうです。
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組織に動かされる側でなく
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