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日高屋82歳会長が語る、“4億3000万円分”自社株譲渡の真意「人が唯一の財産。成長したら分配したい」

必ずやる「ゲン担ぎ」

――成功している経営者のお話を聞くと、皆さんなにかゲン担ぎをする方が多いように感じます。神田会長もご自身の中で必ずおこなうと決めていることはありますか? 神田:創業以来ずっと、「武蔵一宮 氷川神社」(埼玉県さいたま市)に毎月必ず行くようにしています。株主総会の前なんかも必ず。また、今はマンションになってしまったけれど、1店舗目の前にも通ってお祈りしています。  お祈りをしているからかはわからないけれど、こうなりたいなと思っているときに不思議とちょうどいい人が現れるんですよね。例えば、株式公開したいと思ったときも、お金がなくて弱っちゃったなと思ったら、ベンチャーキャピタルから声をかけてもらって、無事実施に踏み切れましたしね。

原動力は「関わる人全員が幸せになること」

ハイデイ日高

取材に笑顔で答える神田正代表取締役会長

――会社経営において、神田会長が原動力になっているものは? 神田:かつては私利私欲がありました。ブランド物が欲しいとかね。でも80過ぎになると一生食っていけるお金が手元にあったら、もうお金を貯めてもしょうがないんですよね。  だから、今は別に大きく4つあります。まず1つは、入社してくれた従業員全員に幸せな人生を送ってもらうこと。これが第一。  2つ目は、出店した地域の人に心から喜んでもらうこと。うちができてから「街が明るくなった」「治安も良くなった」「町が元気になった」って。また、2~3時間働く場所ができてよかったとか、雇用促進にも貢献できていると言ってもらえると嬉しいです。  3番目が、うちと契約している、米や肉、野菜などを入れてくれている業者に取引できてよかったと思ってもらうこと。最後4番目は、数ある銘柄からうちの株を買ってよかったと言ってもらうこと。配当もちゃんと来るし、株価も安定しているしね。貯金するよりはるかによかったって思ってもらいたいです。  だから本当の商売はこれから。私利私欲がないって、こんな強いことはないですよ。人生のなかで今が一番燃えていると思います。こうなったら、最高齢の経営者を目指しますよ。
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コロナからV字回復!今後の夢は?
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医療従事者として都内総合病院に勤務していたが、もともと興味のあったWebライティング業界に思い切って転身。大手メディアと業務委託契約を結び、時事ネタ・取材をメインに記事を執筆。中には450万PVを達成した記事も。ちなみに国内外問わず旅行が趣味で、アメリカ・オーストラリアで生活をした経験もあるバイリンガル。現在、海外移住計画中
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