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寿司職人「海外での時給は日本の2.5倍」。海外移住を希望する若者が続出するワケ

 日本の代表的な文化ともいえるお寿司。従来日本でプロの寿司職人になるためには、「飯炊き3年握り8年」と言われる長い修行を乗り越えることが主流だった。最近では職人としての技術を集中的に学ぶ「育成学校」もでき、寿司職人としての道を切り開く方法の選択肢が増えてきた。
東京すしアカデミー

(東京すしアカデミー提供)

 なかでも、2002年の創設以来、数多くの寿司職人を世に送り出してきた老舗養成校が「東京すしアカデミー」だ。現場経験の豊富なプロの寿司職人が講師となって生徒一人一人にきめ細かく指導する学校だ。同校の卒業生が海外進出する様子がメディアでも取り上げられ話題になった。寿司職人の海外進出が進む今、これからプロを目指す人は何が必要なのだろうか?東京すしアカデミー株式会社の広報担当である鈴木さんにインタビューした。

寿司職人の老舗養成校「設立の経緯」

――学校の設立の経緯について教えて下さい。 鈴木:東京すしアカデミーは寿司専門の経営コンサルタントをしていた福江誠が2002年に開校しました。町の寿司屋がどんどん減っていく、後継者もいないという中で、1人でも多く寿司職人を育てて成功できる人を増やしたいという目的がありました。当時は寿司職人の育成には長い修行が必要だという常識がありました。業界からは疑問視される声もありましたが、卒業生の技術や知識が認められるようになり、現在では多くの寿司店から求人が寄せられています。 ――海外移住したい人は増えているのでしょうか? 鈴木:海外移住を目的に当校を受講する方は以前から多かったのですが、最近はさらに増えています。日本人の受講生の8割は海外移住を希望しています。

オーストラリアの飲食店の時給は日本の2.5倍

――海外移住希望者が増加している理由はどのようなものだと考えていますか? 鈴木:飲食業界に限った話ではありませんが、日本と海外では賃金格差が広がっているそうです。先日、オーストラリアの飲食店で専門職のアルバイトをしている元生徒さんと話したんですが、時給が円換算で3000円だそうです。都内の飲食店のアルバイト時給が1200円くらいですから、2.5倍くらいになる。 「自分の仕事の価値が1200円しか評価されないのか、3000円と評価されるのかでは、働くモチベーションが全然違う」。そんな事をおっしゃっていました。
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国内外に羽ばたく卒業生の就職事情
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医療従事者として都内総合病院に勤務していたが、もともと興味のあったWebライティング業界に思い切って転身。大手メディアと業務委託契約を結び、時事ネタ・取材をメインに記事を執筆。中には450万PVを達成した記事も。ちなみに国内外問わず旅行が趣味で、アメリカ・オーストラリアで生活をした経験もあるバイリンガル。現在、海外移住計画中
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