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横浜DeNAベイスターズの「リーグ優勝」を予感する3つの理由

1998年、悲願のリーグ優勝を決めた瞬間

胴上げ

1998年、優勝時の胴上げ

 ベイスターズの最後の優勝を知らない読者も多いと思うゆえ、改めて1998年のリーグ優勝を振り返ってみる。  1960年以来38年ぶりの優勝に「マジック3」としながら本拠地で3連敗を喫したベイスターズは、「マジック1」とした10月8日、敵地甲子園で阪神と接戦を演じていた。2対3で迎えた8回表、進藤達哉がライト前に逆転の2点タイムリーを放ち、ベイスターズはついに勝ち越した。  最後は抑えの佐々木が登場。9回2死、打席には新庄剛志(現・北海道日本ハムファイターズ監督)。  大魔神の代名詞、フォークボールの連投でカウントは3−2。小さくうなずいた佐々木の投じた6球目がストンと落ち、新庄のバットは空を切る。ベイスターズが悲願のリーグ優勝を決めた瞬間だった。

「ベイスターズの優勝」を予感した3つの理由

 今春、3月のWBCで記者会見の通訳を務めることとなっていた私は、数年ぶりにプロ野球のキャンプを訪問した。古巣のベイスターズを含め5球団を行脚し、昔の仲間に挨拶をしながらキャンプを視察した。  2泊3日の短期間だったが、取材ノートを見返すと「ベイ:久々に優勝しそう」とメモが残っている。帰京する機内で「ベイスターズが近いうちに優勝しそう」と綴った根拠を思い出してみる。  第一に、春のキャンプで見たベイスターズの選手たちは、表情に自信がみなぎっていた。三浦大輔監督2年目の昨シーズン、彼らは前年の借金19から大きく星を伸ばし、73勝68敗のセ・リーグ2位でAクラス(上位3球団)入りした。  第二に、25年前に優勝した前年の1997年も、借金9から後半に猛追し、2位となった。セ・リーグの歴代優勝回数が最少「2回」のベイスターズにおいて、過去の優勝との因果を示してくれるデータほどご利益感のあるものはない。偶然にも前年のリーグ覇者は昨年も1997年もヤクルト。これは幸運のサインと受け止めてよい。
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ベイスターズの優勝を予感する「最大の理由」とは?
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1973年、神奈川県生まれ。日大芸術学部卒業後の1997年、横浜ベイスターズに入社、通訳・広報を担当。'02年・新庄剛志の通訳としてMLBサンフランシスコ・ジャイアンツ、'03年ニューヨーク・メッツと契約。その後は通訳、ライター、実業家と幅広く活動。WBCは4大会連続通訳を担当。今回のWBCもメディア通訳を担当した。著書に『大谷翔平 二刀流』(扶桑社)ほか

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