ニュース

子供が乗った自転車が歩行者と衝突、“9266万円の賠償事例”も…親が子に伝えたい「民法」

自転車だからって軽く考えていませんか?

 自転車は気軽に乗れるし、自動車と違って免許もいらないから、自転車という乗り物の位置づけを軽く考えてはいないでしょうか?  じつは、交通ルールを定めた「道路交通法」があり、そこで自転車は「軽車両」とされているのです。つまり、自転車は自動車の仲間なのです!  そのため、自転車についても、さまざまなルールが定められています。たとえば、2人乗りをすることは原則として禁止されています。  これに違反すると2万円以下の罰金または科料(罰金も科料も刑罰の一種)とされています。2人乗りをしたことがある人、いるんじゃないですか? それ、法律に違反するのです。  雨が降っているからといって傘を差して運転したり、スマートフォンを見ながら運転することも禁止されています。音楽を聴くためにイヤホンをして運転することも認められていません。  心当たりのある人はいないでしょうか? お年寄りや小さい子どもをはじめ、ほかの人にケガをさせてしまったら取り返しのつかないことになることを忘れてはいけません。

自転車の人身事故で9266万円の賠償金額

 実際に、こんな事件が起きました。  2008年に、自転車で走行していた高校生が車道を斜めに横断し、会社員の自転車と衝突しました。これにより、会社員に重い後遺障害が出てしまいました。高校生が会社員に支払った賠償金額は9266万円と言われています。  また、2017年には、スマートフォンを操作しながら自転車を運転していた当時20歳の女子大生が、歩道を歩いていた77歳の女性に衝突して死亡させるという事故が発生しました。重過失致死罪(5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金)が認定されています。  このように、近年、自転車事故が後を絶たず、2015年に道路交通法が改正され、自転車に乗るときのルールがさらに厳しくなっています。自転車を運転する際には、ルールを守り、周囲への安全に配慮する義務があることを覚えておきましょう。
司法書士、合気道指導者、坂本龍馬研究家。1983年、北九州市出身。家の前に司法書士の方が住んでいたことがきっかけで、高校生のとき司法書士を職業にすることを決意。関西学院大学法学部を卒業後、司法書士試験に合格。その後、司法書士のぞみ総合事務所を開設し、以後さまざまな法律の仕事に携わる。小学2年生のときに合気道を始める。いつかは自分の道場を持ちたいと漠然と考えていたところ、師匠のすすめもあり31歳のとき自分の道場を開設。現在、幼稚園児から大学生、社会人まで幅広い年齢層に、合気道を指導している(公益財団法人合気会四段)。NHKで放送されたテレビアニメ『お~い!竜馬』を見て、大人になっても夢を持って生きる坂本龍馬に感銘を受ける。以降、龍馬の追っかけとなり、30歳のときに地元に龍馬会を創設。龍馬の行動力や先見性を知ってもらう活動を続けている。著書に『図解でわかる改正民法・不動産登記法の基本』(日本実業出版社)、『財産消滅』(ポプラ社)、『坂本龍馬 志の貫き方』(カンゼン)ほか多数。ラジオ番組に「北九州社中」(FMKITAQ)。
1
2
3
もうすぐ大人になる君が知っておくべき 13歳からの民法

社会の仕組みとルールがわかる!

おすすめ記事
ハッシュタグ