更新日:2023年09月04日 18:48
お金

2年で10億円→60億円にした外国人“スーパー投資家”が考える「日本株勝ち」の秘訣

成長分野だからITに投資しているのではない

――具体的にはどんなスタイルで投資されているのですか? アレン:有名なウォーレン・バフェット氏は生粋のバリュー投資家で、「買ってずっと持っていれば、いずれ価値が認められ株価が上がるでしょう」というスタンスで知られています。僕の場合、一言でいうと「ファンダメンタルベースの成長株投資」になります。僕も長く持つ点は共通しますが、デイトレード的なことはしたくない。時間は自分のビジネスに使いたいからね。  だから「今安いバリュー株はどれか」を探すより、「この企業はいいポジションにいて、今後5年間は成長が見込める」というグロース株を探しています。スタートアップ投資と一緒。優れた事業アイデアであれば10年待てばいつか必ず上がると思います。 ――影響を受けた投資関連本はありますか? アレン:全米NO.1ファンドマネジャーとまでいわれたピーター・リンチが1980年代後半に出した『ワンアップ・オン・ウォールストリート』(邦題・『株で勝つ!』)だね。この本では「自分にとって身近な生活の知識を活かして株を買う」ことを推奨しています。たとえばあなたが印刷工として働いていて、新聞紙の値上がりに気づいたら、製紙業界の株を買えといった具合にね。  僕で言えば、IT企業にいるのでIT産業の成長の軸がわかる。ITが成長分野だから投資しているのではなく、他のプロの投資家にはない視点が僕にはあるのでIT企業に投資しているんだ。

指標は成長性を加味した「PEGレシオ」に注目

アレンマイナー

アレン・マイナー氏

――どのような指標に注目していますか? アレン:リンチは一般的にPER(株価収益率)が15倍以下であれば割安、15倍以上であれば割高と判断していましたが、IT系はPERが高いので私は20倍以上でも買うことがあります。  瞬間的な利益よりは、利益がどれだけ成長し続けるかが重要なので、私は「PEGレシオ」に注目しています。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、PERをEPS成長率(1株当たり利益成長率)で割って計算したものです。PERと成長率が一致すればリーズナブルな価格である可能性が高い。ただし、利益は瞬間的に跳ねることもあるので、私は売上の伸びと成長率としてその継続性にも注目しています。
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日本の投資はココがヘン?
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不動産、マネー、ネットカルチャー分野を得意とするフリーライター。社会事情についても執筆する。著書に『サラリーマンのままで副業1000万円』(WAVE出版)。X(旧Twitter):@yuutaiooya

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