更新日:2023年09月04日 18:48
お金

2年で10億円→60億円にした外国人“スーパー投資家”が考える「日本株勝ち」の秘訣

アレンマイナー 日経平均がバブル後最高値を更新するなど株式投資が注目を集めている。背景にあるのは「超大型株」を中心とした外国人投資家による“買い”だ。なぜ世界の投資マネーはここにきて日本に押し寄せているのか。
日本株

※画像はイメージです(以下同じ)

 米国オラクルに入社後、1987年から日本オラクル初代代表を務め、退職後はベンチャーキャピタル「サンブリッジ」を創業したアレン・マイナー氏。日本ベンチャーキャピタル協会の設立メンバーであり、主著に『わたし、日本に賭けてます。』を持ち、現在は「グローバルハンズオンVC」のパートナーとして、日本のスタートアップの世界発展に力を入れている。また、芸人「さらば青春の光」の森田哲也とYouTube「ビジネスワンダーTV」にも出演している。日本企業の可能性をよく知る“スーパー投資家”アレン氏に、日本株好調の背景や投資の秘訣について話を聞いた。

新卒でオラクル日本支社長に

――アレンさんの経歴を教えてください。 アレン・マイナー(以下、アレン):ユタ州育ちで、1986年にオラクルに入社し、国際部門で日本支社の立ち上げを任されて日本支社代表になりました。「新入社員なのに日本支社代表!?」と驚かれることも多いですが、当時のオラクルのカルチャーでは普通のことでした。その後、IPOまでの13年間たずさわりました。  同時に生活費以外の給与収入は公開株への投資、オラクルのストックオプションなどで資産形成も行い、投資歴は社会人歴とほぼ一致、40年あります。ほかにもスタートアップへのエンジェル投資をアメリカのネットバブル期からはじめて25年くらいやっています。

コロナ禍の2年で10億円が60億円に

――投資のスペシャリストであるアレンさんには日本の株式市場はどう映りますか? アレン:魅力的な日本企業はたくさんあると昔から思っています。株価が30年横ばいだったのが不思議なくらい。たとえばトヨタ自動車は30年前と比べて明らかに企業規模が大きくなっているのに、株価がついていってないので不思議です。  僕の投資論として「市場は経済学的に動くよりかは心理学的に動いている」というのがあります。市場が盛り上がっていると、皆がエントリーして、プラスのサイクルが発生し需給で株価が上がる。一方でバッドニュースがあると、怖くなって売って、株券をキャッシュ化するから下がる。どんなニュースが出るか、マスコミがどれだけアテンションをひく報道をするかは先読みできないので、僕はタイミングでの投資はめったにしない。  唯一の例外が、コロナショックでロックダウンしたとき。8割近く値が下がった株がたくさんあった。幸い、コロナ前にキャッシュを確保していたので、ファンダメンタル的な要素がそこまでダメージを受けてない株を買いました。  その時に買った公開株は2年間で6倍になりました。10億円を投資して60億円になったので、税金を収めた後、10億円は自分の財団に寄付を、20億円は主に食に関するベンチャー企業に投資しました。ほかには地元のスキーリゾートに別荘と、東京にも家を買いました。残ったキャッシュはコロナ前の10億円くらいだね。
次のページ
成長分野だからITに投資しているのではない
1
2
3
4
不動産、マネー、ネットカルチャー分野を得意とするフリーライター。社会事情についても執筆する。著書に『サラリーマンのままで副業1000万円』(WAVE出版)。X(旧Twitter):@yuutaiooya

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ