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「お布施の金額は相談してもOK?」現役の住職が教える“寺院との上手な付き合い方”

通夜や葬儀、法事、お盆で頭を悩ませるのが、お布施の金額。物価高が続くなか出費は抑えたい。かといって少なすぎるのもみっともないと、思い悩んだことがある読者もいるだろう。そこで真言宗豊山派天明寺の鈴木辨望(べんもう)住職に、寺院にまつわる疑問をぶつけてみた。

お布施を少額しか渡せなくても断る僧侶はいない

鈴木住職

真言宗豊山派天明寺の鈴木辨望氏

まずは気になるお布施の金額から。鈴木氏は、「お坊さんに直接、確認するのが確実です」と明かす。 「私どものように、ホームページでお布施の相場を記載している寺院もあります。まずはホームページなどをチェックして調べてみるといいでしょう。記載されていないときは、相談しにくいかもしれませんが、いくらぐらい納めればいいのか、お坊さんに尋ねてみてください」 何らかの理由で提示された金額を納められないときも、素直に相談するのが吉。 「これだけしか納められないとおっしゃっていただければ、『そんな金額じゃあ受けられない』と断るお坊さんはまずいません。ただし、ケチって値引き交渉を行うのはダメ。お坊さんの心象が悪くなってしまい、今後のお付き合いにも影響が出ると思います」

鈴木氏は1万円で戒名を授与したことも…

お布施のなかでも相場の幅が広いのが戒名だ。寺院や位(戒名のランク。基本的に文字数が多いほど位が高い)によって金額が変わり、高いものだと100万円を超えることもある。 「ただ、私は『お願いされたことは拒まないでなんでもやる』と決めているので、少額でも請けることはあります。20代前半の女性の方に、『おばあちゃんに戒名を授与してほしい。いくら必要ですか?』と相談されたときは、位牌代の1万円だけいただきました。 まだ若いので大金を用意するのは難しいと思いましたし、なによりも、祖母を思って行動するのが立派じゃないですか」
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お坊さんは良き相談相手
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