「まるで“学生のアルバイト”感覚」辞めていくアイドルに運営側の切実な訴え
<元アイドルさんへ お願いします 衣装や靴などの備品を返して下さい アイドルの衣装や靴は記念品ではありません クリーニングし、綺麗な状態で貸与しています その前の方は新品のセットを貸与しております 音信不通のまま他所でアイドル活動をしている意味も分かりません 備品を返して下さい>(原文ママ)
先日、アイドルグループ「ジューンブライド」京都TEAMの公式X(旧Twitter)が投稿した“元アイドル”に向けた「衣装や備品を返してほしい」という内容のポストが話題だ。
アイドルが辞めていく理由は様々だ。たとえば、「アイドルは稼げない」と言って、夜の店で働くことがメインになってしまった子、ファンと個人的につながってクビになってしまった子……。
昨今は辞めたアイドルがSNSで暴露することも珍しくないが、一方で「運営にも事情があるんです」とプロデューサーは苦笑する。
「アイドルの運営を始めて早10年になりますが、ユニットを辞めた子が衣装を返してくれないのは“あるある”ですね。正直、持っていても何に使うんだろうと思ってしまいます。
まるで“学生のアルバイト感覚”というか。たとえば、飲食店のアルバイトを辞めたあと、本当は制服を返却しなきゃいけないけど、タイミングを逃してしまったり、なんとなく気まずくて持っていけないのに近いのかもしれません」
辞めていくアイドルの衣装の返却方法にも「性格が出る」とプロデューサーは言う。
「ちゃんとしている子は、何も言わなくてもクリーニングに出してから返してくれる。グシャグシャの状態でロッカーに詰め込んだままの子もいます……」
ジューンブライドのプロデューサーが、今回のようなポストをした真意とはなんだったのだろうか。
「辞めていったメンバーの中から衣装を返していない子を特定して追い詰めて欲しいということではありません。うちに限った問題ではなく、アイドル活動をしている全ての子たちに伝えたい。衣装や備品が足りなくなれば、運営は赤字を被ることになります。着払いで構わないので、せめて衣装だけでも返してもらいたい」
先ほど「アルバイト感覚」という言葉も出たが、音信不通で衣装も返さずに辞めていった子が、しれっと再びアイドル活動をはじめるケースも少なくないとか。彼女たちには、少しでも「自分のことだけでなく、まわり(運営や残されたメンバー)のことも考えてほしい」と話す。
「卒業後にどこでアイドル活動していても何も文句はありません。でも以前、うちのユニットを飛ぶようなかたちで辞めていったのに、近いところでアイドル活動を再開して、ライブで対バンするようなこともありました。それは人として、あまりにも失礼というか……。
実際、契約書を交わしている場合、辞めたアイドルの“不義理”に対して運営が内容証明を送ることだってありえます。アイドル活動をしていて思い当たる節がある子には、少し考え直して欲しいと思って、140文字で収まる範囲であのツイート(ポスト)をしました」
全国各地で次々と新しいアイドルが誕生しては消えていく。そんななかで、運営側の切実な事情が垣間見られる。今回はポストした本人であるプロデューサーに真意を聞いてみた。
辞めて衣装を返さないのは“学生のアルバイト感覚”に近い
世の中の全てのアイドルたちへ…
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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