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パパ活で3億円荒稼ぎ…「頂き女子りりちゃん」“信者”も逮捕。詐取マニュアルに従った騙しの手口とは

60代男性も同じ手口でターゲットに

愛知県警中署

 家田被告に騙された被害者はもう1人いる。名古屋市守山区の自営業の男性(63)は、マッチングアプリで「村上かな」と名乗る家田被告と知り合い、まったく同じ手口で「マンションの家賃を滞納しているから、同居ができない」と持ちかけられ、21万円を騙し取られた。  さらに「風俗スカウトマンに170万円借金している」という作り話をして、行きつけのホストクラブに勤務している岡島弘樹被告(25)に協力を要請し、風俗スカウトマンに成りすました岡島被告が男性から170万円を騙し取った。  最終的に家田被告が持ちかけたのは「風俗店で働く契約書にサインしてしまった。違約金300万円を支払わなければ、風俗で働くことになる。だから同居はできない」と言って、男性に300万円を用意させ、地下鉄矢場町駅で受け取ったというものだ。  家田被告はこの男性に対しても「かなが拉致された」と言ってフェイドアウトし、村上かなと家田美空の身を案じた男性が警察に相談して事件が発覚。奇しくも2人の被害者が同じ時期に同じ内容で相談に訪れたのだ。

マニュアルを買った“信者”は他にもいる

 家田被告と岡島被告は詐欺容疑で逮捕された。家田被告の自宅を家宅捜索した結果、渡辺容疑者の作った詐欺マニュアルが発見された。警察は少なくとも数十人が渡辺容疑者の詐欺マニュアルを購入していたとみて、余罪を調べている。  渡辺容疑者はターゲットにする男性を年齢に関係なく、「おぢ」と呼び、ユーチューブの中で「おぢ」の特徴を次のように語っている。 「頂けるおぢの特徴は、生きる希望がない、生きがいがないような、毎日仕事して、帰って寝て、毎日帰って仕事して寝て、何で生きてるんだろうな、生きる意味を見出せてないようなおじさん。こうしたおぢに近づき、日常会話と色恋会話という2種類の会話を使い分け、おぢとの距離を詰めていく。色恋会話っていうのは、『好きだよ、結婚しよう』という会話じゃなくて、『おぢと話してると落ち着くなー』とか、直接好きとか伝えないけど、『オレって特別なんだ』と思わせるような会話がいい」  少なくともマッチングアプリで知り合い、干支で二回り離れた女から、結婚や同居を持ちかけられたら、詐欺と思って間違いない。
ほとんどの週刊誌で執筆経験があるノンフィクションライター。別名義でマンガ原作多数。1969年生まれ。三重県出身。近著に『実録 女の性犯罪事件簿』
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