“18年間ひきこもる兄”を溺愛する母に、「自分が亡くなった後、面倒を見て」と頼まれた結果
現在、大きな社会問題となっている中高年のひきこもりでも特に多いのが40代。しかし、兄弟が実家でニート状態の場合、盆や正月であっても帰省するのをためらってしまう人は多いのではないだろうか。
都内のIT企業で働く川野暁美さん(仮名・38歳)は、9歳と7歳の2児の母親。実家は新幹線で1時間半ほどの場所だが、「下の子が生まれてからは一度も帰省していません」と話す。
「その理由は兄です。上の子がちょうど1歳になった頃、子供と2人で実家に戻ったんです。ただ、まだ赤ん坊だから泣くじゃないですか。そしたら兄が私たちが居る1階に降りてきて、『うるさい! 静かにしろ!』って怒鳴ったんです。本人はすぐ2階の自分の部屋に戻りましたが、それからは子供が泣くたびに床や壁を殴ったり蹴ったりするんです。そんなことをされたらますます泣き止まなくなりますよね。
さすがに頭に来て兄に文句を言いに行こうとしたら『お願い、それだけはやめて』って。おかげで実家にいる間は泣き始めたら玄関先に出てあやしての繰り返し。父は昔から空気みたいな人で母や兄に何も言わないし、イライラするだけだから本当は5日間滞在するつもりでしたが予定を前倒しして3日で帰ってきました」
ちなみに暁美さんは2人兄妹で、兄は現在43歳。大学卒業後は新卒採用で健康食品メーカーに就職したそうだが厳しい営業ノルマを課せられたうえ、日常的に上司からの罵詈雑言などのパワハラに苦しんでいて1年半で退社してしまう。
ただし、彼女は大学進学後は寮生活をしており、実家に戻ってひきこもっていた兄とは一緒に住んでいた時期はない。それでもたまに顔を出すと、兄は部屋に閉じこもってゲームやインターネットをしてばかり。そんな彼に毎月7万円の小遣いを渡す母親にも違和感しかなかった。
「昔から母が兄を溺愛しているのは薄々感じていましたが、ニートになってからもそれは変わりませんでした。むしろ、前よりひどくなった気がします。私がこのままひきこもり続けると取り返しがつかなくなると訴えても、『今は休んでいるだけだから』と言い続けて18年経っているんです」
赤ん坊の我が子に怒鳴るひきこもり兄に絶句
「今は休んでいるだけだから」と言い続けて18年…
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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