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「育ててもらった恩を忘れたのか?」“学費も出してくれなかった”傲慢な父と一切の縁を切るまで

 昔は跡取り息子として大切に育てられた長男。例えば、江戸時代は農民の分割相続が禁じられており、家や畑などを1人占めできる長男と何も相続できない次男以下では、生まれた時からその扱いに大きな差があったと言われている。  だが、令和となった今も長男至上主義の考えを持つ者もおり、電機メーカーに勤める高田昇司さん(仮名・41歳)の父親もまさにその典型。町役場に勤めており、周りからは真面目で物腰の柔らかそうな人物だと見られていたが、家の中では兄である2歳上の長男のことばかり気にかけていたという。
頑固おやじ

画像はイメージです ©metamorworks

祖父からもらうお年玉の額にも優劣が…

「子供のころ、父とお風呂に入ったり、一緒に遊んでもらった記憶がほとんどないんです。私が話しかけてもいつも邪険に扱われ、幼心に父は自分のことが嫌いなんだと思うようになりました」  小学校の父親参観も兄のクラスにばかり行き、高田さんの教室に来るのはいつも母親。誕生日やクリスマスのプレゼントもお兄さんはゲームソフトが2本だったのに自分は1本だけ、といった具合にあからさまに差を付けられていたそうだ。 「それは父方の祖父も同じで、ある年に兄がお年玉で1万円貰ったと後で大喜びしていたんです。でも、その年に私が貰ったのは5000円で、それを知った兄が2500円を私にくれたんです。ただ、祖父は父と違って可愛がってくれていたと思っていたのに、その事実を知って裏切られた気分になったのを覚えています。今ならわかりますが、父が過剰なまでに兄を可愛がっていたのはこの祖父の影響なんだろうなって

兄は私立に通わせてもらっているのに…

 ちなみにお兄さんは父の意向で中学から大学まで私立。ただし、教育にお金を使うのは兄に対してのみで自身は中高と公立で、大学も地元の国立大。しかも、父親は当初、大学進学を希望する高田さんに「(学費を払う)余裕がない」と難色を示したそうだ。 「通っていた高校は公立でしたが偏差値60台の進学校。成績だって悪くなかったですし、あのときは本当にぶん殴ってやろうかと思ったほどです。結局、奨学金で大学に通いましたが父とこれ以上顔を合わせるのが嫌になり、バイトで必死に金を貯めて20歳のとき家を出て一人暮らしを始めました。親からは当然ながら1銭の援助もなかったですけどね(苦笑)」
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父親は長男の子供しか抱っこしなかった…
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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