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風俗、競馬、パチンコ屑のおっさんと詐欺師に聞いた「2023年流行語大賞」

おっさんは二度死ぬ 2nd season

おっさん流行語大賞2023

 今年もあっという間に月日が流れ11月となってしまった。そうなると毎年恒例となっている「ユーキャン新語流行語大賞」のノミネート30語が発表される時期がやってきた。毎年、この時期になると逃すことなくこの連載で取り上げ続けてきたので、今年も言及してみようと思う。ちなみに流行語大賞自体は今年で40回目になるらしい。  まずは今年のノミネート30語を見てみよう。 <2023年ノミネート語> I’m wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ!) 憧れるのをやめましょう 新しい学校のリーダーズ/首振りダンス 新しい戦前 アレ(A.R.E.) 頂き女子 X(エックス) エッフェル姉さん NGリスト/ジャニーズ問題 オーバーツーリズム 推しの子/アイドル OSO18/アーバンベア 蛙化現象 5類 10円パン スエコザサ 性加害 生成AI 地球沸騰化 チャットGPT 電動キックボード 2024年問題/ライドシェア ひき肉です/ちょんまげ小僧 藤井八冠 ペッパーミル・パフォーマンス/ラーズ・ヌートバー 別班/VIVANT(ヴィヴァン) 観る将 闇バイト 4年ぶり/声だし応援 Y2K  毎年、この連載においては苦言を呈しているのだけど、今年は例年に増して酷い。そもそも流行してない言葉がガリガリに入っているのはずっと言われていることだけれども、今年は特に訳の分からない括り、数稼ぎのノミネート、よく分からない忖度が横行しているように思う。 「4年ぶり/声だし応援」などは流行語でも新語でもなく、事象の説明である。なぜこれを入れた。ノミネートさせたくない単語があって、それを覆い隠すために数合わせでノミネートしたとしか思えない。 「憧れるのをやめましょう」についてもどうしても言わせてもらう。これはWBC決勝の前のロッカールームで大谷選手が選手を鼓舞するために言った言葉だ。アメリカとの決勝戦、相手は野球選手ならだれもが憧れるメジャーリーグのスター選手だ。けれども、憧れていては勝てないという意味だ。確かに印象的な言葉だけど、やはり流行したわけでもなんでもない。  これを日常で言っているヤツを見たことも聞いたこともない。絶対に日常で言わん。そんなシーンありえない。「憧れるのをやめましょう」なんてきいたこともない。いや、聞いたことはあった。

風俗好きおっさんが選ぶ流行語は?

 僕の知り合いの風俗大好きおっさん二大巨頭である徳さんとヨネさんがいる。二人は少しずつ風俗貯金みたいなものをしていて、それが貯まったのでかなり料金設定の高い高級風俗店に一緒に行ったそうだ。豪華な待合室に浮足だつヨネさんに徳さんが言った。 「憧れるのはやめましょう」  誰もが夢見る高級風俗店。おまけにかなり人気の嬢を予約できたそうだ。けれども、憧れていてはいけない。心の底から高級プレイを楽しむべきだと徳さんは言ったのだ。そもそもヨネさんは高級さに浮足立っているだけで、別に憧れているわけではないと思うし、憧れる対象でもないと思う。けど、徳さんは得意気にそう言ったらしい。  とまあ、大谷選手と徳さんくらいからしか聞いたことがない言葉だ。それがノミネートされてくるのは、むやみやたらに野球関連の用語を押し込んでいる勢力が審査員にいるからだと睨んでいる。今年のノミネート語も、それが入るかと言いたくなる野球用語が散見される。  さて、12月になるとこのノミネート語の中から年間大賞が選出されるわけで、この連載ではどれが受賞するのか予想をたて、ほぼ的中させてきている。今年も例にならって年間大賞を予想してみよう。  例年の流れで行くと、「アレ(A.R.E.)」が有力な候補だ。これは「阪神のアレ」でなかなか流行した言葉で大賞になってもおかしくないものだ。けれども、野球関連の言葉でもある。  2021年は「リアル二刀流/ショータイム」2022年は「村神様」と野球関連の用語がここ2年間は年間大賞に選ばれている。特に2022年はそんなの流行っていないだろという批判も強かった。そういうときは野球関連から外してくる傾向がある。  ということで、今年は野球関係の押し出しが勢力を弱め「藤井八冠」あたりが年間大賞を受賞するだろう。この予想は当たると思うので、みなさんも発表の日まで覚えておいて欲しい。ただし、授賞式に藤井八冠がやってくるとは思えないので、海外で大ブレイクした「I’m wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ!)」あたりとダブル受賞とし、とにかく明るい安村さんを授賞式に呼ぶと予想される。覚えておいてほしい。
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競馬場で飲んだくれているおっさんに聞いた2023年の流行語
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テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


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