仕事

“文章ノウハウ本”が大ヒット中の小説家が、書く仕事は「一般常識や社会人スキルが大事」と強調するワケ

 誰でも一度は「小説家」や「印税生活」を夢見たことがあるはず。今であれば、「note」や「小説家になろう」などのWebサイトで名を馳せたい、もしくは有料記事で稼ぎたい……かもしれない。
在宅勤務をする若いビジネスウーマン

現在は、会社員の副業や在宅ワークとしても「物書き業」が人気だが、その現実は……?(※写真はイメージです。以下同)

 近年は会社員の副業、あるいは子育て中のママが自宅にいながらできる仕事として「Webライター」が人気。髪型自由、服装自由、面倒くさい世間のしがらみはなく、好きなことを書いてお金が得られる——。いわゆる「物書き業」に対してそんなイメージを持っている人も多いかもしれないが、果たして実際のところはどうなのか?  現役の小説家でコピーライターや映像作家としての顔も持ちながら、クリエイター向けの実用書『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』が大ヒット、11月に最新刊『プロの小説家が教える クリエイターのための 名付けの技法書』(共に日本文芸社)が発売された秀島迅氏に、小説家の仕事や収入事情など“リアル”な部分を聞いた。  秀島氏によれば、“文章で稼ぐ仕事”において大切なのは、じつは“一般常識”や“社会人スキル”なのだとか。果たして、その真意とは?

作家・小説家としての収入は全体の4分の1

収支の計算 応募総数日本一の電撃小説大賞から選出された『さよなら、君のいない海』(KADOKAWA)で小説家デビューを果たした秀島氏。  前編では“専業で生活を成り立たせていくことの過酷さ”を紹介してくれたが、小説家としてデビュー直後は、別の名義でノンフィクション系の著述を書いたり、インタビュアーとして書籍の構成を担当したりするなど、さまざまなタイプの仕事の引き合いがあったそうだ。 「当時たまたま大手映像制作会社の映像作家の仕事を見つけて、1名の募集枠に数百人応募があったそうですが、そこでドラマなど映像作品のシナリオを書く仕事をもらえることになったんです。その頃、同時に別口で新しい広告の仕事も舞い込んできて、在宅で文章だけ書くという条件のもとで、広告の仕事もしていましたね」  現在、作家・小説家としての収入は全体の4分の1ほど。残りは広告制作と映像制作の収入が占めているそうだ。 「いろいろな文芸賞への応募も賞金目当てでいまだに続けているので、結局、小説も広告も映像も全て続けています。原稿仕事は毎朝4時に起きて5時間ぐらいかけて書きますね。編集者さんなどが出勤する頃に合わせてメールなどをした後、お昼前から夕方くらいまで広告や映像の仕事という感じです。周りには専業作家も多いですけど、書店でハードカバーが平置きされていたり、中吊り広告が出ていたりするほどの小説家でも、専業だと経済的には意外とキツいと思います」

じつは一般常識や社会人スキルが武器になる

ビジネスマン 作家志望の人からの悩み相談も多く受けるという秀島氏。たとえば、一般企業に勤める読書好きの文系会社員がフィクション作品などの作家を志した場合、どんなアドバイスを送るのだろうか? 「まずは文芸賞で入賞を目指すことが基本ですね。一次選考で落とされると、書評すらもらえません。人に読んでもらうための一番手っ取り早くてコストがかからない方法はネット小説で、小説投稿サイトに作品を投稿してみるのは市場調査的なひとつの指標にはなると思います」  そこでの評価やレビューなどもある程度、今度の作品づくりの参考になるという。また、出版社の編集者も投稿サイトの人気作品などは定期的にチェックしているとか。 「小説投稿サイトって、読者的にはお気に入りの数やPVなどの数字に目が行きがち。でも、クリエイター視点に立つと、タイトル・見出しの付け方や、あらすじでの世界観の切り出し方みたいな部分が、けっこう参考になったりするんです。  それと、意外と思われるかもしれませんが、もしも文章を書くことを仕事にしたければ、“一般常識や社会人スキルがある人”と、編集者に認識してもらえたほうが良いです。むしろ、今は一番大事なのかもしれない。  僕は元々コピーライターなので普段から細かい表現には気を使っていますが、コンプライアンスにうるさい時代でもあるので、編集者としても安心して付き合える人のほうが助かるという場合が多いです。実際に文章表現だけでなく、身なりや立ち振る舞いが求められることもあるでしょう。たとえば、文芸賞の候補者には直接1回会って、身辺の様子を確認するということも結構やっているらしいです。作家としてデビューして、その後も継続的に稼いでいくためには、まずは編集者に信頼してもらうことが近道になるのは間違いないです」
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長く続けていくことは簡単ではない
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