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「クラウンエステート」17年ぶりの復活に歓喜。“壊れないワゴン”の魅力を旧型オーナーが語り尽くす

クルマ好きの腕時計投資家の斉藤由貴生です。 2023年度中に、トヨタから「クラウンエステート」が17年ぶりに復活するというニュースがあります。ワゴンタイプのクラウンは、11代目まで長らくラインナップされてきたわけですが、2007年をもって終了。それが今回復活するわけですから、クラウン好きにとっては大ニュースだといえる出来事だと思います。 私は、旧型のクラウンエステートをこれまで3台乗り継いできたのですが、今回「クラウンエステート」が久々に復活するタイミングでも、まだ旧型に乗っています。 ということで今回は、そんな私が旧型のクラウンエステートを解説したいと思います。

クラウンエステートの歴史

2003年式のアスリートVプレミアムは最も高値なクラウンエステートだといえる

ワゴンタイプのクラウンは、1998年まで「クラウンワゴン」という名称で販売されていました。また、その世代まで、セダンタイプのクラウンは、ハードトップとセダンという構成でした。 ハードトップは、オーナー向け仕様である一方、セダンは法人向け。また、1995年にクラウンコンフォートが出るまで、タクシー仕様車はセダンの最低グレード(スタンダード)が選ばれていました。クラウンコンフォートは、1995年から20年以上に渡ってモデルチェンジされることがなかったため、日本のタクシー風景は長らく変わることがありませんでしたが、1994年頃までは新型クラウンが出るたびに、街を走るタクシーも新しいカタチになっていったといえます。 そして、ワゴンタイプのクラウンは、セダンがベース。さらに、最高グレードも2.5リッターといったところで、ハードトップに見られる豪華仕様車(3.0L)のような存在はなかったのです。また、「クラウンバン」という存在もあり、今のプロボックスのような用途で使うことを前提としたクラウンがあったわけです。 こういったことからも、1998年までの“ワゴンタイプのクラウン”は、あまり個人ユーザーの需要を意識していなかったといえます。また、クラウンが10代目にあたる時点も、ワゴンだけは8世代目(13系)を引き継いでいたわけで、ほそぼそと継続しているといった存在感となってしました。 そんな中、1999年にクラウンが11代目に移行した際、ワゴンもフルモデルチェンジ。なお、11代目のクラウンから、「ハードトップ=オーナー向け」、「セダン=法人向け」という構成は廃止され、かわりに「アスリート」と「ロイヤル」という展開になったわけです。

90年代のRVブームに影響?

そして、興味深いのは11代目クラウンのワゴンタイプには「アスリート」が用意されたという点。アスリートは、従来のハードトップに当たる存在だと解釈できますが、ワゴンにもそれを用意したというのは、それまでのクラウンワゴンの扱いからすると驚きだったといえます。 また、名称もそれまでの「クラウンワゴン」から「クラウンエステート」に変更。さらにすごいのは、クラウンエステートにはアスリートV(2.5Lターボ)や3リッターモデルが用意されるなど、セダンタイプと同等の豪華なラインナップが用意された点です。 1999年登場のクラウンエステートから、ワゴンタイプのクラウンが“格上げされた”といえますが、こういったことが起きたのは、おそらく1990年代当時の「RVブーム」に影響されたのだと思います。 ですからクラウンエステートは、歴代クラウンワゴンとしては、異例といえるほど「気合を入れて作られた」といえる存在。なお、一部グレードには後席電動リクライニングが備わっているのですが、これは当時としては「世界初」。こういった点からも気合が感じられます。 また、後席にはラゲッジネットが設置。これは、ベンツのワゴンモデルなどでは昔から見られる装備ですが、旧型クラウンエステートにもしっかり設置されているのです。ワゴンタイプのクルマでは、急ブレーキを踏んだ際など、荷物が前方に飛んでこないようにする必要があるといえますが、これには「ラゲッジネット」が必須。しかし、私が新型クラウンエステートをWEBでみたところ、ラゲッジネットは見当たりませんでした。 そんな旧型クラウンエステートでありますが、セダンタイプが12代目に移行した際に、モデルチェンジを受けることなく、2007年をもって生産終了。そして、それから17年後の今、久々にワゴンタイプのクラウンが復活するわけです。
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旧型クラウンエステートの基本
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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