更新日:2024年01月12日 10:00
スポーツ

なぜ西武は「和田より甲斐野を選んだ」のか。「人的補償制度」に潜む問題点も

巨人から人的補償で移籍した選手は「14選手」

仮に人的補償がなければ、金満と言われる球団だけが得するため、日本らしい全体最適を意識したシステムだ。ただ、今回に限らず人的補償に関しては、毎年のように大物の選手や期待の若手選手が移籍している。 さらに、巨人から人的補償で移籍した選手は、これまで14選手もいる。大物の選手で見ると具体的には、2005年に江藤智が豊田清の人的補償で西武に移籍している。その翌年の2006年には、工藤公康が門倉健の人的補償で移籍。2018年は内海哲也が炭谷銀仁朗、長野久義が丸佳浩の人的補償で移籍した。 若手選手を見ると、2013年に大竹寛の人的補償で移籍した一岡竜司や2016年に山口俊の人的補償で移籍した平良拳太郎は新天地で活躍を見せた。 過去のFA人的補償は下記になる(左から氏名・所属球団・ポジション)。 FA選手⇔人的補償 【1995年】 河野博文(日)投⇔川辺忠義(巨)投 【2001年】 加藤伸一(オ)投⇔ユウキ(近)投 前田幸長(中)投⇔平松一宏(巨)投 【2005年】 野口茂樹(中)投⇔小田幸平(巨)捕 豊田清(西)投⇔江藤智(巨)内 【2006年】 小久保裕紀(巨)内⇔吉武真太郎(ソ)投 門倉健(横)投⇔工藤公康(巨)投 【2007年】 石井一久(ヤ)投⇔福地寿樹(西)外 新井貴浩(広)内⇔赤松真人(神)外 和田一浩(西)外⇔岡本真也(中)投 【2010年】 小林宏之(ロ)投⇔高浜卓也(神)内 【2011年】 村田修一(横)内⇔藤井秀悟(巨)投 大村三郎(巨)外⇔高口隆行(ロ)内 【2012年】 平野恵一(神)内⇔高宮和也(オ)投 寺原隼人(オ)投⇔馬原孝浩(ソ)投 【2013年】 大竹寛(広)投⇔一岡竜司(巨)投 鶴岡慎也(日)捕⇔藤岡好明(ソ)投 久保康友(神)投⇔鶴岡一成(D)捕 片岡治大(西)内⇔脇谷亮太(巨)内 涌井秀章(西)投⇔中郷大樹(ロ)投 【2014年】 相川亮二(ヤ)捕⇔奥村展征(巨)内 【2016年】 糸井嘉男(オ)外⇔金田和之(神)投 山口俊(D)投⇔平良拳太郎(巨)投 【2017年】 大和(神)内⇔尾仲祐哉(D)投 野上亮磨(西)投⇔高木勇人(巨)投 【2018年】 炭谷銀仁朗(西)捕⇔内海哲也(巨)投 丸佳浩(広)外⇔長野久義(巨)外 西勇輝(オ)投⇔竹安大知(神)投 【2019年】 美馬学(楽)投⇔酒居知史(ロ)投 鈴木大地(ロ)内⇔小野郁(楽)投 【2020年】 梶谷隆幸(D)外⇔田中俊太(巨)内 【2021年】 又吉克樹(中)投⇔岩崎翔(ソ)投 【2022年】 森友哉(西)捕⇔張奕(オ)投 近藤健介(日)外⇔田中正義(ソ)投 【2023年】 西川龍馬(広)外⇔ 日高暖己(オ)投 山川穂高(ソ)内⇔ 甲斐野央(西)投
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制度自体を見直す必要も?
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野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55

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