同店の女性店長はこう話す。高齢ともなるとスーパーのレジなどの求人にもなかなか採用されなくなるが、風俗は高齢者雇用の一つになっているようだ。 　2年前から働いているAさん（62歳）は次のように話す。 「長く専業主婦をしていたので、電車に乗ってお勤めに出ることをしてみたくてこのお店で働き始めました。家族以外とお話ができるので楽しいですね。最も高齢のお客様は90歳です。耳が遠く、スマホを持っていないので、待ち合わせがちょっと大変です」 　収入は生活費として使っているとのことだが、節約して洋服や化粧品を買うのが楽しみだという。 「こういう仕事をしているので、キレイにしようと思うじゃないですか。そうすると、生活にもハリが出るんです」 　巻き髪を揺らしながら、彼女は微笑んだ。 　一方、キャストではなく客に年齢制限をしているお店もある。 「60歳未満、お断り」をキャッチコピーに掲げる「こころあわせ」は高齢者専用のデリヘルだ。 「お客様は会話やデートの時間を重視している方が多いですね。『定年退職して何も楽しみがないなかで、このお店を知って、女のコとイチャイチャするようになった。これを楽しみにこれからも頑張っていけそうだよ』などとおっしゃってくれます」 　こう話すのは、副業で同店に勤務する会社員のまりこさん（23歳）だ。客には体が不自由な人もおり、接客には細かい配慮が必要だと話す。