梅雨がなく、雨が降り続くことも少ない
日本人にはない、この感情。なぜこのような気持ちになるかといえば、気候の問題が大きく関係している。
1点目は、日本のような梅雨がないこと。梅雨で毎日のように雨が降るのであれば、傘を持ち歩く習慣がついたかもしれない。しかし、ドイツでは一日中降り続くような長雨があまりなく、たいてい、ざーっと降ってすぐに止んでしまうにわか雨がほとんど。気持ちが重くなるくらいどんより暗くなる秋冬でさえ、意外にも雨の日は少ない。
2点目は、湿気がないこと。厳密にいうと、湿度は日本よりドイツのほうが高いのだが、日本ほど気温が高くなく、比較的風が強いため、そこまで蒸し暑さを感じない。というわけで、体が濡れてもすぐ乾くので、日本のように湿ったままで気持ち悪いということがまずないのだ。
傘を差さないのは大人だけではなく、子供も同じ。学校の遠足の日、雨が降りそうだったので傘を持たせたが、びしょ濡れで帰ってきた我が子。聞けば、先生から「
傘を差してはいけない」と言われたのだそう。雨はレインコートで防げるけど、傘を差すと周りが見えにくいし、風で傘が飛ばされる可能性があるというわけだ。この発想、日本人の筆者には全くなかった。
そういえば我が子が幼稚園に通っていたときは、防水コート、防水ズボン、長靴が必須アイテムで、雨でも雪でも外で遊んでいたことを思い出す。
珍しく雨続きで、何日か外遊びをしないことがあったが、すぐに保護者から「
なぜ外遊びをさせないのだ! 雨など関係なく外に出すべきだ」と園にクレームが入ったことも。そんな環境で育ったせいか、子供たちもちょっとやそっとの雨じゃ、傘なんか必要としないのだ。
編集プロダクション勤務を経て、1996年よりフリーライターとなり、情報誌や単行本の取材・ライティングを担当。2007年、ドイツ・フランクフルトに拠点を移してからは、生活に密着したドイツ情報、自分の好きなドイツのモノゴト(カフェ、パン、子育てetc…)を発信するほか、ドイツで活躍する日本人のインタビューを行う。世界100カ国以上の現地在住日本人ライターの組織「
海外書き人クラブ」会員
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