ライフ

欧米人はなぜ雨でも傘を差さないのか?ドイツ人の驚きの言い分「砂糖じゃないから溶けない」――大反響トップ10

雨具の性能がいたって本気

 日本のレインコートといえば、生地は薄めでも、ファッションセンスを兼ね備えたものをイメージする。だが、ドイツの雨具は、機能性が第一。結構な雨風でも濡れることのない頑丈な雨具を着用し、傘なしで颯爽と歩いている。  前項で登場した子供のはく防水ズボンは「Regenhose(雨用ズボン)」というそのまんまの名称で、こちらも雨もどろんこもへっちゃらで遊ぶことができる機能性重視のシロモノだ。  また、雨具でなくとも、普段から、アウトドアブランドのしっかりしたジャケットを着用している人が多いのもポイント。オオカミの毛皮のように、どんな環境下においても快適性をもたらす、1981年、ドイツ・フランクフルト生まれの「Jack Wolfskin」、雨風の多いハンブルクで誕生したレインジャケットブランド「Schmuddelwedda」などが定番人気と言えるだろう。

とはいえドイツ生まれの折り畳み傘も

クニルプス

クニルプス Knirps 折り畳み傘 ¥8,022 ※画像はAmazonより

 このように傘を差さない理由は諸々あるが、もちろん傘を差す人もいるし、常備している人だっている。  日本で、当時世界最軽量と謳われた折り畳み傘を入手してきた我が夫。自慢げにその傘を差した瞬間、風で裏返ってしまうと、ドイツ人上司は「何だその弱い傘は! 折り畳み傘といえばこれだろ!」と、ドイツで90年以上もの歴史を持つ傘メーカー「Knirps」の傘を見せつけたそう。  なんとこのメーカー、世界で初めて折り畳み傘を生産したという老舗中の老舗。まさか傘を差す人が少ない国、ドイツで、折り畳み傘が生まれていたとは驚きだ。質実剛健なドイツの製品だけあって、壊れにくさ、軽さ、精巧な作りに定評があり、しっかり雨風から守ってくれる。あまり傘を差さないとはいえ、もし使うとなれば、雨具同様、本格的なものを求める傾向にあるようだ。  こんな立派な傘があるにもかかわらず、やはり雨の日は、傘なし人口が多いドイツ。純日本人である我が子も、当然のような顔して、雨の中、傘も差さずに歩いて行く。やはりこの気候、傘を差すという概念のない環境で過ごすと、ドイツ人でなくとも、傘なしが当たり前になっていくのだろう。 <TEXT/大越理恵>
編集プロダクション勤務を経て、1996年よりフリーライターとなり、情報誌や単行本の取材・ライティングを担当。2007年、ドイツ・フランクフルトに拠点を移してからは、生活に密着したドイツ情報、自分の好きなドイツのモノゴト(カフェ、パン、子育てetc…)を発信するほか、ドイツで活躍する日本人のインタビューを行う。世界100カ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員
1
2
3
おすすめ記事