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学生服は高すぎる? 1万円スーツはあっても、制服は絶対に安くならない「特殊な事情」

高い技術力が必要とされる特殊な事情

制服 すると、毎年出来の異なる原材料をまったく同じような色味に染色させる必要が出てくる。これが非常に困難なのですね。  たとえば、1年生と2年生の制服の色が同じネイビーでも微妙に明暗のことなるものに仕上がってしまったら……当然、学校側からはクレームが来るでしょう。これは決して「メーカー都合のオーバースペック」などではなく、実際制服はそうしたクレームが多いそう。  同じ色でないと制服の意味がないわけですから、カジュアル服よりもさらにシビアにみられるため対応せざるを得ないわけです。また、こうした異なる原材料でも均一の色に染色できるくらい高い技術力を持ってる業者が結局、選ばれ生き残るわけですね。

海外のハイブランドも採用する高級ウール

 また、NIKKE素材は国内有数の毛織物業者であり、世界3大ウール産地として名高い「尾州地域」に属する大手メーカーです。  海外、特に素材にうるさいジルサンダーに好まれた生地で、今でもハイブランドメゾンがこぞって採用しています。それを使っているのですから、日本の制服はずいぶんハイエンドなモノ作りになっているのですね。  もちろん「そんな面倒なことするなら私服でいいじゃないか」という論に私も大賛成ではありますが、ただ我々が過去着ていた制服には世界に誇る日本の繊維産業技術の粋で作られているということをぜひ知っていただきたいなと思います。理由がなく高いわけ……でもないんですよ。
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AIが作った服はあるのか?
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