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“フリマアプリ全盛”でもしぶとく生き残るハードオフ。“メルカリにはない強み”が背景に

旧来型の中小店は生き残れないかもしれない

 書店の減少が深刻化しています。東京商工リサーチは10年間で書店の運営会社が764社倒産したとの調査を発表しています。  書籍のデジタル化が進行し、インターネット通販で購入する消費者が増えていることが背景にあります。中小の古本店も市場縮小の影響を大いに受けるでしょう。中古のゲームやCD、DVDも斜陽化しました。旧型のビジネスモデルをとる中古ショップの大量倒産が視野に入ります。  規模の大きい総合型リサイクル店や衣料、ホビー、家電などの専門店がリサイクル市場の伸びをけん引すると予想できます。

“メルカリにはない強み”が

 一つ疑問に思うのが、メルカリなどのフリマアプリが台頭しているにも関わらず、リサイクルショップが繁栄しているのはなぜなのかという点。  これには消費者意識が深く関わっています。  環境省がリサイクルショップに関する興味深い調査を行っています(「リユース業者の環境意識高度化事業 消費者へのアンケート調査結果」)。この調査の中で「リユースショップにて購入した理由」について尋ねたところ、「中古品を購入するなら、リユースショップと思ったから」との回答は37.3%。この比率が高いのは当然とも思えますが、実は最も回答率が高いのは「立ち寄ったらほしいものがあったから」(38.5%)なのです。  つまり、目的の中古品を購入するためにリサイクルショップに行くのではなく、無目的に訪れている消費者の方が多いのです。いわば、リサイクルショップは娯楽施設化しています。これが、Webがリユース市場を侵食しきれない理由の一つです。  そうすると、フリマアプリは目的のものを購入するために使い、リサイクルショップは遊びに行くために立ち寄る、という棲み分けができます。  Webサービスが進行しても、リサイクルショップの活況は続くでしょう。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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