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埼玉県川口市の在日クルド人が「街で大暴れ」は本当か?SNSで繰り返される人種差別の真相

現地取材から見えたもの

 日本クルド文化協会や在日クルド人は、生活習慣の違いで日本人との間でトラブルとなっていることやクルド人のせいで治安が悪化したというSNSでの投稿を受け、夜の巡回パトロールを定期的に行っている。筆者は4月26日のパトロールを他のジャーナリストとともに取材した。およそ2時間の巡回だった。
川口市在日クルド人

クルド人と日本人有志による夜の巡回パトロールの様子

 筆者は他の日にも、昼夜と川口市の蕨駅付近を取材に訪れているが、クルド人たちが街を荒らしている様子はなかった。  夜の巡回パトロール取材の当日は、テレビ局や他のマスコミ関係者も取材にきていた。マスコミ関係者が注目する川口市で、在日クルド人が違法行為を繰り返しているのであれば、大々的に報じられているはずだ。

街は平和そのものだった

川口市在日クルド人

テレビ局もパトロールの様子を取材している。道端で飲酒する外国人男性

 パトロール中、道端で飲酒する外国人男性がいたが、その1名に帰宅を促した1件のみで、街は平和そのものだった。むろん、西川口付近は昔から風俗店等も多く、もともと治安のいい場所とはいえないのだが。  同行したジャーナリストは、深夜の様子を見るために、ビジネスホテルに宿泊をしている。だが、目立つのは中東系ではなく、東アジア系外国人であり、街はチャイナタウンのようだったという。そのジャーナリストは居酒屋で絡まれているが、それは日本人からだった。  それもそのはずだ。川口市の外国人住民は、現在約4万人と市人口の約6.7%を占めているが、川口市の国籍別外国人数を見ても、トルコ人(川口市在住のクルド人のほとんどはトルコ国籍)は中国人、ベトナム人、フィリピン人などに次いで6位だ(2024年1月1日時点)。少数の在日クルド人が目立つはずもない。実際に、夜の蕨駅周辺を歩いても、トルコ人と行き交うこと自体が少なかった。  筆者はタクシーに乗り、運転手に街の様子を聞いた。川口市在住というその運転手は「外国人トラブルは多いし、迷惑している」と答えていた。
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トルコでのクルド人迫害はないという言説
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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