無印良品の「買ってはいけない靴と買うべき靴」。お買い得もあれば難ありも
こんにちは、シューフィッターこまつです。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。
さて、みんな大好きな無印良品。私もグリーンカレーのレトルトパウチは週1ペースで買っていますし、洗いざらしのブロード長袖シャツは過去何枚リピートしたか覚えていないほど愛好しています。しかし、靴の専門家として、無印を手放しで褒めるつもりはありません。よいものもあれば、改善点も山盛りあると思っています。その違いはどこにあるのか、解説していきましょう。
まず、定番の「疲れにくい 撥水スニーカー」は本当によくできています。これは断言します。クラシックな外見とは反対に、足の動きがよく考えられているインソールに小ぶりなカカト周り、キャンバスでも日常防水という仕様。アウトドアメーカーにも似ているものはありますが、1万円を超えてくることを考えると、3990円なのは見事の一言。
外見はコンバースに似ていますが、足が中で遊ぶことがありません。専門的な解説ですが、足の「外側縦アーチ」と「内側縦アーチ」をきちんと支えています。単純に「土踏まずが盛り上がっているだけ」の製品はよくみかけますが、これらは足あたりがいいだけで機能性は伴っていません。足は両端から支えないと意味がなく、「外側縦アーチ」を支えているスニーカーは、まず見かけません。専門のインソールに差し替えれば話は別ですが、それでもインソール単体で2000~3000円はします。それがデフォルトでついていて3990円は破格と言っていいでしょう。しかも定番なのでいつでも手に入ります。
ここまで完成度が高いので、しいて言えばぜひ「シャンク」という曲がり防止の素材をふまず付近に入れてほしい。足の動きなりに「曲がるところで曲がる」仕様にすれば、今よりも疲れづらくなるはずです。キャンバススニーカーの雰囲気はノスタルジックでいいのですが、シャンクが入っていないため、必要以上に底が曲がり、長時間の歩行には向きません。シャンク自体は安い材料なので、販売価格にそれほど響くことないはずです。
有名メーカーよりはるかに優秀な「キャンバススニーカー」
こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ」
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